「DARK QUEST ALLIANCE (ダーククエスト アライアンス)」 レビュー

Diablo系見下ろし型ARPG。 いわゆるハクスラ。

980円と価格暴落していたので購入してみましたが、値段以上には遊べる反面、邪魔にならないはずなのに悪い意味で気になるシナリオや、操作周りの微妙さ、物語後半のバランスの悪さがマイナス。

ただ、より強い装備を求めるトレハンの楽しさはそこそこ味わえますし、気の利いたシステムもあって、単にクソゲーと切り捨てる気も起きない不思議な作品です。

 icon-smile-o ここがイイ!

  • 手軽にハクスラできる!と思える程度には作られている。
  • 低レアリティ自動換金システムが楽。
  • ステ振り・スキル強化のリセットが割と手軽にできる。
  • 装備の制約が少なく、重装備の魔法使いなども可。

 icon-meh-o 微妙・惜しい

  • ストーリー上しかたがないとはいえ、せっかく3種類のクラスがあるにもかかわらず、キャラの性別や外見は一種類のみ。

 icon-frown-o ここがダメ!

  • ロードが長い。
  • 近接時、敵に攻撃できるまでに一瞬の間があり、先制攻撃しても敵に先手を奪われることもしばしばある。
  • 物語後半以降のバランス、レベルデザインがどんどんひどくなっていく。
  • ストーリーがひどい。
  • フレームレートの落ち込みや音飛びがそれなりに頻発。
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後半のバランスの悪さを除けば、意外と楽しめる

はじめて体験版を触った時は、「うわなにこのクソゲー」と思ったもんですが、時を経て、980円という価格を目の前にした時、再び触ろうとなぜ思ったのか。

その答えは未だ謎なのですが、実際に遊んでみて、980円分は……あるいはプラス200円位は楽しめたかもしれません。

本作の骨子はひたすらレベルを上げたり、ひたすら強いアイテムを求めて敵を倒しまくるハック&スラッシュであり、重厚長大なストーリーや複雑高度なシステムはありません。

元々がスマートフォンアプリということで、シンプル寄りな本作はPS Vitaとの相性も決して悪くなく、ツボはほどほどに抑えていることで国内ではニッチながらもなかなかにいい感じの仕上がりになっています。

キャラの成長と強化に没頭できるように、本作は自由度の高さと快適性をちょっぴり意識したようです。

例えば、キャラビルド(育成)に関しては、ステータスの割り振りやスキル習得・強化をミスっても、いかばかりかの金銭と引き換えにリセットしてくれるNPCが存在します。 このNPCのおかげでそれなりに様々な試行錯誤が可能となっています。

また、強い装備の獲得を目指す過程で、手持ちには不要なノーマルアイテムがあふれることになります。 が、本作には自動換金システムが存在し、例えばノーマルアイテムを拾った時に即座に換金してしまうことができます。 これにより、手持ちアイテムが煩雑になったり持ちきれないという事態が多少減ることになります。

こうした配慮には長じる一方で、後半の方のダンジョンなどのレベルデザインはイマイチで、フラストレーションのたまり具合もなかなかのものです。

とにかくダラダラとした印象の道中とリソース(主にMP)の運用範囲を考えていないかのような敵の量と配置、手抜きなラストダンジョンの攻略フロー、そしてポーションがぶ飲み推奨な崩れ気味のボス戦難易度。

途中までは装備の吟味や試行錯誤で局面が大きく左右されるので試行錯誤のしがいもあったのに対し、ラスト付近は(少なくとも一周目は)ほとんど一択の装備構成で挑まねばならず、装備の選択幅が一気に狭まった印象なのはマイナス要素です。

その他細かいところでは、ロードの長さをはじめ、安定しないフレームレート、そして近接職では致命的な攻撃可能タイミングの遅れが存在します。

特に攻撃可能タイミングの遅れは気になるところで、例えば、遠方から敵が近づいてきたとして、間合いに入った頃合いを見計らって武器を振るったとします。

しかし本作では振るった武器はミス……どころか、その接近してきた敵は攻撃可能状態にはなっておらず、何もないところで武器を振るっているのと同じ状態になっています。 他方、敵は接近するやいなや攻撃をしかけてきて、先制攻撃を許してしまいます。

これが毎回というわけではないようですが、ほとんど常態化しており、なんとなく理不尽感を募らせる一因になっています。

こうした細かい部分のクオリティの低さはやはりスマートフォン用アプリだったことに起因するのかもしれません。 ここに、980円たる所以があります。

空気になりきれない劣悪なストーリー

ハクスラにストーリーは求めちゃいかんのですが、このあたりをうまくやってのけているのがDiablo IIIだと思います。

邪魔になることは決してなく、しかし先へ進みたいというプレイ意欲をやんわりと促しており、いい意味での“空気”に徹していると思います。

が、本作のストーリーは空気というにはしゃしゃり出ている印象で、しかも内容がひどいというのが救いがないのです。

そもそも、国王である主人公が后の死を認めたくなくて后を黒魔術で復活させ、魔に魅入られた后に殺されるところから始まります。

墓で復活した国王は、魔なる存在の女王と化した后を殺しに行く……と、自分のケツを自分で拭くだけのストーリーなわけですが、なんでか最後は感謝の意を述べられるという謎。 いや、原因は元をたどると主人公のせいなんだって。

途中で女剣士が出てくるんですが、いつの間にか前兆なく“いい関係”になっていたことが示唆されたりと、ロマンスを入れようとした挙句「いつの間に懇意になってたんだよ!?」とツッコミを入れたくなる弱みを出すだけに終わっており、かといってモチベーションには一切寄与していないという残念なエピソードもあります。

そして基本的には行き当たりばったりで、目的や意義もあやふやなままにおつかいをさせられ続けることになります。 途中で敵の幹部クラスの寒い茶番を魅せつけられながら。

挙句、ラストの局面でそこそこ高位のボスに「ここから先へは私の用意した敵を倒さない限り先へは進ませない」と言われ、一生懸命に無駄にタフでパワフルなボスをせっせと倒していると「なぜお前は戦い続けるのだ!?」と言われたりします。 いや、あんたが戦えって言ったから仕方なく戦ってるんでしょうが!!

それが終わったら単調でコピペレベルのイライラ棒的ギミックと、ポーションがぶ飲みでゴリ押し推奨なバランス崩壊のボス×5が待ち受けているものですから、最後の最後でプレイ意欲はゴリゴリ削れていきます。

とにかくまぁキャラクターはもちろん、シナリオ展開に魅力や必然性が希薄ゆえに、プレイヤーの意欲も薄くなりがちなのですが、何も最後のほうで無残に打ち砕かなくてもいいと思うのですが。

いくら元スマートフォンアプリだとしても、本作のシナリオはすさまじく低レベルだと言わざるを得ません。

総括

まぁ、980円だったらこんなもんか、むしろ意外と楽しめたか、というレベルです。

ただ恐ろしいのは、本作がもともと3000円程度で販売されていたということ。 もし2000円なり3000円なりで本作を買っていたら、なかなかに後悔や精神的ダメージは大きかったのではないでしょうか。

全体の作りは粗い部分も多く、高品質な国内ゲームに多く触れた人には一目見てクソゲー判定されそうな本作ですが、遊んでみるとクソい部分も飲み込んで遊べたりするもんです。

1000円前後で買えそうだったら、暇つぶしに買ってみるのもありかもしれません。 他方、2000円以上であれば手を出さないほうが無難です。 その場合はせめて体験版に触れてからにしましょう。

なお、本作はマルチプレイ対応ですが、発売からかなり時間が経っていることと知名度の低さから現在は過疎っているため、マルチプレイは絶望的かと思います。

書いた人はこんな人

壬生狼
壬生狼(みぶろ)と申します。 miburo666/ルプス(Lupus)は概ね同一人物。 ゲーム、音楽、映画/アニメ、イラストなどが趣味。 ここでは音楽や映画/アニメを中心に、趣味関連の記事を書いていきます。
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