「遊星からの物体X (原題:The Thing)」 レビュー

1982年公開のSF映画。SFの古典をリメイク・映画化した作品。

1982年の冬、南極にて。ある日、アメリカの有する観測所の周辺にノルウェーのヘリが現れる。そのヘリは何故か犬を執拗に追い掛け回しており、銃撃を行なっていた。銃撃しつつ観測所にまで乗り込んできた所で、そのノルウェー人は射殺される。

不可解なこの出来事に不信感を覚え、主人公・マクレディはノルウェーの基地へ赴く。そこでは何者かと争った形跡や、自殺した基地員、そして謎の氷塊や不気味な焼死体を発見する。それらを観測所へ持ち帰ったマクレディであったが、直後、追い掛け回されていた犬の様子がおかしくなり……。

SF映画の名作の一つとして数えられるだけあって演出はもちろん、今なお鮮烈で見劣りのしないエイリアンの造形描写がお見事!常に居心地が悪く安心できない不安感と緊張感が持続していて、単純なモンスターホラーではなくサスペンス的な面白みも凝縮されています。

2011年製作の「ファーストコンタクト」と一緒に見ると、更に面白さに深みが増します。SF映画好きは必見の作品。

 icon-smile-o ここがイイ!

  • 今見ても色褪せないシナリオ、演出。
  • “疑心暗鬼”の描き方が秀逸!
  • ほどよい謎とぼかし方が、いい意味でのモヤモヤ感(≒余韻)を残してくれる。
  • テーマ曲?もシンプルながらも不穏な感じが出ており、印象的。

 icon-meh-o 微妙・惜しい

  • 一部、しょっぱい演技の人がいる。幸い、ストーリーに没頭していてそんなに気にはなりませんでしたが。

 icon-frown-o ここがダメ!

  • とくになし。
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詳細

さんざん語り尽くされているであろう本作、たかだか数時間前にはじめて見た私が語っていいものか悩ましいですが、やはりレビューとして残しておきたいので書きます!

本作最大の見所は、見るもおぞましいエイリアン!……というよりは、その特異な能力に翻弄される人間模様にあります。

本作の描くエイリアンは「何にでもなれる何か」であり、それゆえ、仲間を仲間だと思いきれない居心地の悪さが常についてまわります。生き延びるには信用して、協力し、この状況を何とかしたい!でも、見分けがつかないから信用もできない……っという、葛藤があるわけです。

そうしてはかりかねている間に、ひとり、またひとりとエイリアンの餌食になっていく(なっているかもしれない)という切迫感と、そうしてエイリアンが身近に紛れているかもしれないという底知れぬ不気味さがたまりませんね!

登場人物が男性のみというのもまた、一触即発になりがちで非常にスリリングです。その上閉鎖空間とくるもんですから、もう、好条件(?)が揃いすぎです!

映像面もスゴいよ!

CG全盛の今、30年も昔の映画(それもSF)なんてどうなの~?と思われる方もいるはず。

しかし!心配ご無用!!

むしろCGではないからこその、独特の不気味さが際立っています。エイリアンはちょっと笑っちゃうような造形のものもありますが、基本的にいい感じにグロテスクです。そのグロテスクさも単にヌメヌメヌルヌルしているだけではなくて、変態が可能という能力を考慮して、様々な生き物をモチーフに組み上げられているのです。

これが、いわばキメラ的な気持ちの悪さに繋がっており、映像面で今でも通用すると感じられる理由なのです。相当気合が入っていますよ。

また繰り返しになりますが、カメラワークや表情の見せ方でも現代とくらべて遜色ない……というより、そこらの近年の映画じゃ味わえない妙味もあったりして惹かれますね~。

総括

きっと語れる人が語ればもっと多くの文章を練り上げられるのでしょうが、私程度ではこれくらいが限界です!

しかし、そんな私でも本作には大いに惹かれました。やはり、面白い映画というのはド派手なCGとかで決まるのではなくて、脚本と演出によるんだなぁと再確認できる作品です。

SF映画にド派手なCGでのバトルなんかを求める人には退屈に映るでしょうが、そうでなく、SF特有の空気や雰囲気を求める人・サスペンスが好きな人なんかもツボにハマることまちがいなしです!気づけばテーマ曲を口ずさむようになったりして?

2011年作品の続編(というか前日譚)を見る・見ないにかかわらず、映画好きなら本作は不可避でしょうかね。30年前の作品とは思えない面白みがここにあります。

書いた人はこんな人

壬生狼
壬生狼(みぶろ)と申します。 miburo666/ルプス(Lupus)は概ね同一人物。 ゲーム、音楽、映画/アニメ、イラストなどが趣味。 ここでは音楽や映画/アニメを中心に、趣味関連の記事を書いていきます。
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