こちらで更新継続中。「とびだせ どうぶつの森」 レビュー

「とびだせ どうぶつの森」 レビュー

大ヒットした、ゆる~い雰囲気のコミュニケーションツール型ゲーム。

争いごとなどとは無縁な空気とシステム、そして個性豊かな住人たちに一時の癒しをもたらされるゲームです。 もちろん、やりこもうとすれば膨大な時間が必要にもなります。

ゲームを攻略することに楽しさを見出す人・変化に富んだプレイを求める人には不向きですが、逆に言えばそれ以外の多くの人には受け入れられる作品と言えます。

 icon-smile-o ここがイイ!

  • 愛らしく、魅力的な登場キャラクター。
  • 争いのない、平和そのものなゲームデザイン。
  • 老若男女問わず楽しめるかたわら、ゲーマー向けにも収集・やりこみ要素もあります。
  • BGMもなかなか良質。

 icon-meh-o 微妙・惜しい

  • チャットが漢字に非対応で、入力効率も悪い。 そこまで高度なチャットが必要でもないですが。
  • ある程度まで発展し切るとやることが急激に減って、マンネリ化が一気に進んでしまいます。

 icon-frown-o ここがダメ!

  • 所持アイテム・アイテムボックスの上限が厳しい。 工夫次第で保管自体はどうとでもなるものの、整理や運用には多大なストレスとなる。
  • 所持金上限が低すぎる。 超過分はアイテム扱いというのも、カブを見越せば×。
  • 村のオリジナリティを出せる範囲がやや限定的。 また、施設等の建設地決定の操作性もイマイチ。
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殺伐さと無縁なのんびりとした空間が最大の魅力

普段私は、敵対勢力を射殺したり・されたり、魔物を殺したり・されたりというような、FPSやRPGなどを好んでプレイするので、本作が大ヒットしているにも関わらず、まったく興味はありませんでした。

ところが、近しい友人が相次いでプレイをはじめたということで「自分でも楽しめるのかな?というか、どんなゲームなんだ?」という疑問や興味がムクムクとわき起こり、気がついたら買っていたという状況です。

そうしてプレイをはじめましたが、本作は今まで私がプレイしたことのないゲーム……いや、ゲームかどうかも怪しいタイプの作品であることがわかりました。

前情報からも、ストーリーやゲームクリアの類がなく、(ある程度)なんでもできるし、何もしなくてもいいというタイプの作品だとは知っていました。 が、実際にプレイしてみるとなかなかに衝撃的。

どうしてもゲーマーとしては「これはどんな意味があるんだろう?」と、手に入れたものや与えられた情報について考えたくもなりますが、本作ではたいていのものが「意味がない」のです。

例えば、私の村の特産である「モモ」。 これは売ることもできるし、食べることもできます。 たまに、「おいしいモモ」という高値がつくモモがなることもあります。

売るのはいいとして、「食べる」というコマンドが表示されると、やはり「空腹の概念があるのか」「もしくは、食べると何か状態に変化が起きるのか」とか考えちゃうわけです。

しかし、です。

実際に食べてみると、「モモ」はプレイヤーの胃に収まるだけですし、せいぜい「おいしいモモ」はとろけるような表情になるだけです。 何も食べないでいるとお腹が空いて行き倒れになるとか、いいモノを食べるとパラメータが上昇するということは、一切ないのです。

たいていのものには「意味がある」ゲームに慣れていたせいか、たいていものに「意味がない」というのはカルチャーショックに準じる驚きがありました。

なんというかそういったゆるい空間で、ただ走り回ってみたり、なにげないことで笑い合ったり、他プレイヤーを虫あみで強襲したりするのが楽しかったりするのです。 しょうもないというより、童心に帰るとでもいいましょうか。

牧場物語からストーリーとゲーム要素を取っ払ったような印象を受けなくもないですし、ああいった生活シミュレーション作品を簡素にしたような感じ、とも言えますね。

銃や剣を置いて、のんびりと村で過ごすのも存外悪くありません。

できること。

先ほど「生活シミュレーション作品を簡素にした感じ」と書きましたが、できることを見てもそんな感じです。

虫を捕まえたり、果樹になった果実をとったり。 川や海で釣りをするだけでなく、素潜りをしたりもできます。

特に経営や生活というモノがないので、畑を耕して作物をとったりとか、どうぶつがメインなので酪農プレイなどはできません。 しかしその代わり、村長として村をカスタマイズできる機能があります。

簡易な村条例を出してみたり、カフェを建てたり、噴水や風力発電施設を作ったりと公共事業を行うことで“ある程度は”自分の好みに合った村にできるのです。 マイホームの内外装を自由に飾ることもできます。

こだわりはじめると莫大な費用と時間を要する、やりこみ要素のひとつとも言えますが、本格的なシミュレーション作品には自由度は及びません。

施設などを建設する場所は曖昧にしか指定できず、思ったところに作ることが出来なかったりと歯がゆい場面も多いです。 というのも、秘書である「しずえ」に建設したい場所で話しかけ、「ここでいいですか?」という質問に答えることで建設場所を決定する仕様だからです。

こういう時でないと「しずえ」の出番がないから、という側面はあるのでしょうが、より直感的で視覚的な仕様でも良かったのではないかと思います。

また、意外と設置箇所や個数の制限が厳し目なので、とことん個性的な村にすることはできません(例えば、和風の村とかSFな村というような)。 アイデア次第ではある程度の作りこみも可能ではありますが、贔屓目に見てもバラエティ豊かな選択肢があるとは言い難いです。

ただ、あまり高度化してもメインターゲット層には難しい・煩雑に思われる可能性は低くないので、このあたりが妥協点なのかもしれません。 簡素だからこそ、受け入れられ・試行錯誤する楽しみがあるというのもまた事実なのですから。

そういう意味でも、マインクラフトなどのようなサンドボックス(箱庭)系ゲームともまた異なる方向性であることがわかります。 やはり、本質はコミュニケーションありきの作品なのです。

やればやるほど気になるアイテム周りの仕様

村が発展し、金銭的にも大きな金額のやり取りが増えてくると、アイテム(主に家具や衣類など)の仕様が煩わしくなってきます。

本作には非常に多くの家具や衣類などが登場しますが、その割に所持可能なアイテム数は16、アイテムボックスに格納できるのは180個までと非常に少ないです。 すべて集めるまでもなく、簡単に全部埋まってしまいます。

しかも、このアイテムはカテゴリ毎に全て同様のアイコンで表示され、カーソルをのせてはじめてアイテム名が表示される仕様なのですが、非常に一覧性に乏しくアイテム数が増えるほど整理・管理がしにくく・煩わしくなっていきます。

格納上限などが低いため、ミュージアムなどに置いて倉庫代わりにするなどもできますが、結局、管理が煩雑になりがちなのには変わらず、コレクターはもちろん厳選しようにもアイテムの取捨選択全般が大きなストレスになります。

更に圧迫に拍車をかけるのが、金銭と「カブ」の仕様。

所持金上限はなんと99,999ベル(お金の単位)と低く、それを越して入手する・ATMからおろすなどすると、超過分が金貨袋としてアイテム欄に行ってしまうのです。 ローン返済などでは普通に数十万のベルが必要になったりしますし、もう一桁上の所持金上限で適正ではないかと感じました。

更に、後半になるとより多くの資金が必要になるため、カブ(蕪)に手を出す人も多いでしょう。 ただしこちらもひと山で上限が10個(実際は100カブ扱い)と低く、大量にカブを売り買いする場合に金貨袋と相互に干渉しあって煩雑さは倍増。

カブも上限を引き上げるなり、現実と同じくバーチャルにする(蕪とかける必要がなくなりますが)なりして欲しかったところですね。

ある意味リアルな仕様ととれないこともないですが、それならそもそも家具を10個も持ち歩ける時点でリアルじゃないんですから、よりプレイの利便性を追求したデザインにして欲しかったなと。

総括

どちらかというと非ゲーマー層にアピールする作品という印象で、痒いところに手が届かない部分が大部分で見受けられました。 それらに不満を抱いている意見をあまり聞かない点でも、ゲーマー層の全体に占める割合は少ないのだろうなと感じますし。

明確な目的やハードルがない=全ては自己満足であり、更に、自分で目的を設定して遊ぶにしても甘い・ゆるすぎるという印象なので、ゲーマーであると自認している人にはオススメはしません。

一方で、普段ゲームをしない人・できない人などゲーマーを除く大半の人には愛される作品になっているのではないでしょうか。 個性的なキャラクターたちは思いのほか表情豊かで、可愛いのやら気持ち悪いのやら様々で、他の人の村の住人を眺めるだけでも楽しめたりしますからね。

残念ながら私は、ヌルゲーマーと言いつつもゲーマー層寄りの人間ですので、今現在はほとんどプレイしていない(=飽きた)状態でしたが、はじめの1ヶ月は特にどっぷりとハマり込んで遊んでいましたし、細く長く遊べる作品ではあると思います。

時間の流れやイベントは現実時間とリンクしているので、時間操作さえしなければ毎年のアイテム収集だけでも12年遊べることになるわけです。 その他、季節ごとのイベントなどイベントはそれなりの数がありますし。

攻略とかなんだとか考えずライフワーク的に遊べば、きっと長い間癒しを与えてくれるパートナーとしてあなたの側に寄り添ってくれるでしょう。

とびだせ どうぶつの森

書いた人はこんな人

壬生狼
壬生狼(みぶろ)と申します。 miburo666/ルプス(Lupus)は概ね同一人物。 ゲーム、音楽、映画/アニメ、イラストなどが趣味。 ここでは音楽や映画/アニメを中心に、趣味関連の記事を書いていきます。
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