こちらで更新継続中。【新生FFXIV】OSSAN FANTASY: おっさん覚醒!そして寝室へ……。【外伝2】

【新生FFXIV】OSSAN FANTASY: おっさん覚醒!そして寝室へ……。【外伝2】

前回、華々しくデビューし、静かに闇に溶けていったOSSAN……ヴィトリオール。

彼の眠りは深く、長く、目覚めは未来永劫ないものかと思われた。 が、神の気まぐれか、目覚めの時は突然訪れた。

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目覚めは突然に。 新たな任務

何も変わらない。 何も動かない。 何も、何も。

そんな時間が悠久のごとく流れ、あるいは止まっている、はずであった。 しかし、彼は目覚めたのだ。 目覚めることを余儀なくされた。

「……気持よく寝ていたというのに」

ぼやきながらも、その顔には喜色が浮かぶ。 自分が目覚めたということは、この宿屋を飛び出して、またあの青空の下を駆けまわることが出来る。 そうにちがいないと、彼は思っていたからだ。

そんな彼の気持ちを知ってか知らずか、頭のなかに曖昧な映像が浮かぶ。 ……これは、滝?であろうか。 それと、モーグリが見える。

「よくわからんが、そこになにかがある。 ならば、行くまでだ」

鎧を身につけ、お気に入りのサブリガをはいて。 彼は駆け出す。 導かれるまま、モーグリの待つ滝へ。

「しかし、残念だなぁ」

起きてみたはいいが、あたりは暗かった。 大好きな青空は既に姿を消していた。

だがそこには、空には小さいながらも懸命に輝く星々の姿がある。 彼はそこに、なぜか自分の姿を見たような気がして、ふと切なさに襲われた。

ヴィトリオールの胸中を現すように、空からは静かに小雨の雫が降り注いでいた。

そうして駆けることしばらくして、見覚えのある滝へ到着した。 モーグリの姿も探さずとも見つけることができた。

「……」

「……」

ふたりは見つめ合う。 ある者は自分に託宣が下ると信じて。 ある者は「どうかこのままなにごともなく彼が立ち去ってくれますように」と願って。

――先に動いたのは彼だった。

「何か、売っているんだろう? 品物を見せてくれないか」

モーグリは驚いた。 彼はお客さんだったのだ。

彼は驚いた。 自分はお客さんだったのだ。

「……!! か、かわいい」

外では悪徳業者がなにやら喚き散らしていたが、もはや彼の耳には届かない。 目は差し出されたイヤリングに釘付けだ。 サボテンダーとボムの形をしたイヤリング。 ヴィトリオールは、抗いようのない購買意欲に身を任せた。

「ふたつとも買おう」

「大切な人への贈り物クポ?」

「ふ……そんなわけないだろう、自分プレゼントさ」

「……」

モーグリの沈黙が痛々しいが、当の本人は全く気がついていなかった。 イヤリングを手にしたこと。 それが今の彼の全てであった。

さっそく、ボムのイヤリングをつけてみる。 ……悪くない、ちょうどよい重みが耳に加わる。

ふと、彼は恐ろしくなった。 これを身につけることによって自分が可愛くなりすぎてしまうのではないか、と。

もちろん杞憂であるのだが、そんな彼の気持ちとは裏腹に、頬は緩みっぱなしであった。

ひとしきり耳の感触を味わったのち、彼の足はグリダニアの北西部に位置する北部森林へ向かっていた。

忍耐の時、そして寝室へ……。

雨ふりしきる中、彼は待っていた。

……何を? わからない。 わからないが、“それ”が現れた時、自ずと“わかる”はずだ。

そうしてどれくらい待っただろうか。 時折、意識が途切れている。 それは宿屋で眠り続けていたあの時のような抜け落ち方。

どういった加減でそうなっているのかはわからないが、気がついたら自分が立っていることを知覚し、そして驚くのである。 起きてみたら、超絶おかしな場所で究極的に意味の分からない姿勢で寝ていたことに気がつくようなものである。 それが何度か、あった。

と、彼は“わかった”。ついに、“それ”が現れたのだ。

「待ちわびたぞぉぉぉぉぉ!!」

咆哮。 そして突撃。 彼は現れたボムの群れへ突っ込んでいく。 ああ、血が熱い、血が滾る。 本能の赴くまま、彼は斧を薙ぎ、振り下ろしていく。 ポロポロと力尽き落下していくボム達。 それは、一方的な虐殺であったが、彼は愉悦感と達成感が満たされていくのを感じていた。

ひとしきり虐殺が終わってみると、ABU特攻隊とやらの死体がそこかしこに転がっており、どうやら“それ”の撃退はならなかったようだ。 だが、ヴィトリオールにとってそんなものは些事である。 むしろ、これで任務が達成できることに喜びを感じていた。

彼はまた駆け出す。 手に、今しがた手に入れた灰を持って。

「水着ください!」

息を荒らげて、撤去準備をしているABUブースへ駆け込むヴィトリオール。 明らかに出遅れたおっさんが、肌寒くなりつつあるこの時期に水着を欲するのは不可解以外の何物でもなかったが、彼の放つ鬼気が拒むことを許さなかった。

なけなしの死灰と引き換えに水着と花火を得たヴィトリオール。 さすがに人前で着替えるのははばかられたので、宿屋へと移動した。

「よ、よし、着るぞ……!」

高鳴る鼓動。 溢れん期待。 ……なんということだろう、このフィット感の素晴らしさたるや! 彼は一瞬にしてその水着に魅入られた。

アヘ顔ではないが、ダブルピースまで飛び出すほどの大はしゃぎっぷりである。

彼の魅力を最大限に引き出す水着である。 彼ならずとも魅了されずにはおれまい。

この日に目覚めさせてくれたことを、太陽と神々に感謝するヴィトリオール。 身体に食い込む感覚がクセになっているのではない。 断じて。

喜びの絶頂にあった。

二度と目覚めることがないかもしれないと、あの亜空間にたゆたいながら薄々感づいていた矢先の出来事だったのだ。

再び日の目を見た(実際は夜だったが)こともそうであったが、なにより、最高にCOOLなイヤリングと水着を得ることができた。 魅力的になっていく自分の姿に、彼は心酔しそうであった。

と。

ふと彼を睡魔が襲う。

変なところを凝視しているわけではない。 断じて。

「いか、ん……まだ、眠るわけには」

虚ろになってゆく意識。 抗うべく一歩踏み出し、宿から出ようとする。 が、叶わず、その場へへたりこむ。

……もう彼にはわかっていた。 時が来たのだ。

「また、起こしてくれるんだろうな……?」

薄れゆく自我の感覚。 かすかな望みを口にしつつ、彼はその身をベッドに横たえる。 急速に遠のく意識。 そして「きっとすぐに、ね」と聞いたような気がした。

何度でも目覚めるさ。

こうして再び眠りに就いたヴィトリオール。 彼は最後に聞いた言葉を信じて再び亜空間に身を委ねる。

果たして本当に再び目覚める時が来るのか? はたまた――。

以下に、おまけ画像を用意しつつ、今回の記録を終いとする。

孤独孤高なヴィトリオールのフレンド欄は、清々しいくらいまっさらな状態だ。

ブログ向けに画像をアップロードしているうち、妙なものが自動生成されていた。 躍動感あふれる彼の姿をご堪能あれ。

書いた人はこんな人

壬生狼

壬生狼(みぶろ)と申します。 miburo666/ルプス(Lupus)は概ね同一人物。 ゲーム、音楽、映画/アニメ、イラストなどが趣味。 ここでは音楽や映画/アニメを中心に、趣味関連の記事を書いていきます。

記載されている会社名・製品名・システム名などは、各社の商標、または登録商標です。
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