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「DOOM3 BFG Edition」 レビュー

FPSのマスターピースともいうべき、DOOMシリーズ3作目をHDリマスターした作品。本作には、DOOM3の拡張パックのほか、初代DOOMとDOOM2も収録されている、お得なパックとなっています。

プレイヤーは、火星で起きた不可解な事件に巻き込まれ、原因をさぐっていくことになります。そして、道中で次々と現れる異形……悪魔たちを、ショットガンで地獄に送り返していくのです。

単純なボリュームを考えてもコストパフォーマンスはとても良好です。現在のFPS作品に比べると見劣りする部分も少なくありません。しかし、「敵の攻撃をかわして、撃つ」というシンプルな楽しさと、やや高めの難易度が懐かしくも(今となっては逆に)新鮮です。

 icon-smile-o ここがイイ!

  • なんといっても圧倒的なボリュームと、その割に安価な価格設定。
  • DOOM3だけでなく、FPS史上に名を残すタイトルである初期DOOMも遊べます。
  • DOOM3、初期DOOMともに挙動は快適。
  • 雰囲気たっぷりのマップと、BGM。
  • 敵の攻撃をかわして射撃するというシンプルな楽しさを味わえ、アイテム取得しないと体力が回復できないという昔ながらのシビアさが、懐かしくも新鮮。
  • 追加エピソード・Resurrection of Evilが豊富なギミックがあって楽しい。
  • 本作のためだけの追加エピソード・The Lost Missionが新規収録。

 icon-meh-o 微妙・惜しい

  • DOOM3はホラーFPSのようなテイストですが、早々にパターンがわかってしまい、恐怖感(ビックリ感)は急速になくなっていきます。
  • 中盤以降、だんだんと荒削りで雑になっていくレベルデザイン。
  • シンプルさが楽しい半面、ワンパターンで飽きるという見方も。

 icon-frown-o ここがダメ!

  • 死亡率が高めであるがゆえに、セーブやロードの長さがネックです。
  • リロードモーションが始まると、銃の持ち替えが出来ず、とっさの対処が不可能。
  • 銃撃を与えても、敵がほとんどひるまない。
  • マルチプレイはおまけ。完成度はとても低いです。
  • ローカライズはストーリーを知る上で有用かもしれないですが、本作のローカライズレベルは低め。音量が小さいために聞き取れない場面もしばしば。
  • Final DOOM未収録。
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詳細

元が古いゲームということで、いい点も悪い点も今更言った所で詮なきことにも思えますが……FPS好きのはしくれということで、正直な気持ちでレビューを書きたいと思います。

まずプレイして感じたのは、懐かしさとも言えるFPSらしさ。QTEはないし、シネマティックな演出もほとんどありません。ひたすらに、敵との戦闘に没頭するような設計となっています。

これが、近年の重厚長大なテーマ性を持つFPSと比較しても、面白いんですよ!

ストーリーとかもあるにはありますし、そこそこ設定も盛り込んで作られてはいるんですけれど。それよりも、ゲーム自体の持つ雰囲気とシンプルな楽しさが魅力的なんです。

エピソードごとに多少できることの違いはあっても、ひたすらに、出てくる敵を倒す→次のエリアに進む→出てくる敵を倒す→……と延々と繰り返すだけなのです。最初こそ短調で飽きそうだな~と思いつつプレイしていると、いつの間にか一気にプレイするほどDOOMという世界のトリコになっていました。

割とゴリ押しも楽しい本作ですが、難易度はそこそこ高め。というのも、全体的に視界不良(暗い)だったり、弾薬・アイテムの数がそこそこシビアだったりということが挙げられます。また、体力も自動回復ではなく、回復アイテムを取得して回復するというクラシックなタイプです。

そんなデザインの上に、敵が四方から……もしくは死角からウジャウジャと出てくるので、それをショットガンでふっ飛ばしたり、チェーンガンで薙ぎ払ったりしていくのです。これが、難解な謎解きなどに邪魔されずに楽しめるわけです。文字にすると大したことに感じられませんが、プレイしてみると頭を空にして楽しめるという、心地よさがありますよ。

世界観の作りこみにも注目!

DOOM3で絶賛されてしかるべきなのは、その世界観・空気感でしょう。

火星という険阻な環境に作られた、閉鎖的な基地で事件が起こるわけですが……前述のように暗い場面も多く、息苦しい感じが常につきまといます。これが緊張感と独特の寒々とした空気を生み出していて魅力的です。

BGMや環境音なんかも秀逸で、地獄の侵食が深まるにつれて、悪魔の息遣いを感じる環境音になったり、禍々しい気を感じるものになっていったりしていきます。見た目以上に地獄の雰囲気を引き出していて、今でも通用する音作りでしたね。

もったいないのは、シンプルなゲームシステムのせいか、怖かったり驚いたりするのが最初だけということ。

ある程度プレイすると「ここらで敵が出てくるんだろうな~」と予想がつくようになってきて、しかも的中してしまうものですから、緊張感に欠け、やがて単調なプレイに感じるようになっていく可能性もあります。DOOM3無印のプレイ時間が10時間前後というボリュームも、ダレる原因になりえますね。

この点、追加エピソードのResurrection of Evilでは細かなギミックを多く用意してあり、かつ、4時間前後でクリア可能な程よいボリュームのお陰で終始飽きさせません。無印の後にプレイするととても楽しめました。

古い作品に苦言を呈してもしょうがないですが

見出しの通り、昔の作品にあーだこーだ言ってもしょうがないのですが、やはり「難あり」と感じる点も少なくないわけで。

例えば、敵を撃ってもひるまないのがリアリティとゲームデザイン的にいい印象を受けませんでした。ひるませて隙を作れないのは、ちょっとな~と。頭を空にして楽しめると書きましたが、立ち回りまで何も考えずにバリバリ撃っているだけだと、スーパーアーマー持ちの敵にあっさり倒されてしまいますからね。

そんなタフな敵がウジャウジャ出てくるわけですが、いわゆるクリアリングも無駄だったりするんですよ。背後に奇襲という形で出てくるわけなので、最近のFPSに慣れているほど理不尽に感じるかも。
※悪魔だから神出鬼没、ということなんでしょう。

レベルデザイン(マップ構造・敵の配置などの総称)も、中盤以降から雑になっていきます。とにかくいやらしい配置・数の敵を送り込んできて、なおかつ、マップ自体も致死性の高いものになっていくのです。

狭い通路にタフな敵をウジャウジャ出したり、それに可燃物(即死級)を置いてみたり、落下死するポイントをそこかしこに作ってみたり。

そうして初見では死ぬことも多いので、まぁ、多少イラッとは来るものの……これだけなら試行錯誤してクリアしよう!という気持ちも燃え上がるもんなんですが、ここで、セーブ&ロードの長さがネックとなります。

割と長い時間ロード(コンティニュー)にかかるので、死亡率が高い箇所ではストレスがガンガンたまります。せめてセーブ&ロード周りが高速だったら!と思う箇所がかなりありました。

付け加えるなら、リロードモーション中の武器切り替えも欲しかったところ。ショットガンなどのリロードが長めの武器の場合、リロードモーションが始まってしまうと長時間無防備になるんです。

最近のFPSではリロードモーションを中断してハンドガンなどに持ち替えてしのいだり、ということができるのですが、本作ではそれが不可能。リロード途中で射撃は可能ですが、それでしのぎきるのもキツいです。急場での対処がしにくい点で、ここはいただけません。

総括

仕様上仕方がないとはいえ、ストレスが溜まる仕様だとか、気に食わない点は少ないながらもハッキリと残っています。

しかしそれでも、ひと通りプレイさせ、クリアしよう!と思えるだけのポテンシャルを本作は持っています。似たような作品が多いとよく言われるFPSですが、そんな中にあって、本作……DOOMという作品は、独自の世界を強く持っている作品なのです。

また、初代DOOM、DOOM2も時代を考えると「とんでもないゲームだったんだなぁ」と思います。しかし、今となっても楽しめるとはいえ、全てのエピソードをクリアしたい!とまで思えるとは思えませんね。だいたい、1週すればお腹いっぱいになります。

こちらはギミックなどの理由から、DOOM2だけプレイしておけばいいんじゃないのかな?とまで思います。

以上からFPS好きは絶対やるべき!……とまではいいませんが、FPSの楽しさの根源を知るには初代DOOMやDOOM2も収録されているなどの理由で、プレイしてみてもいいのではないかと思います。

ただし、先にも書いたように全体的に難易度はシビアな部類です。所詮CPUが相手とはいえ……ね。

書いた人はこんな人

壬生狼
壬生狼(みぶろ)と申します。 miburo666/ルプス(Lupus)は概ね同一人物。 ゲーム、音楽、映画/アニメ、イラストなどが趣味。 ここでは音楽や映画/アニメを中心に、趣味関連の記事を書いていきます。
記載されている会社名・製品名・システム名などは、各社の商標、または登録商標です。
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