こちらで更新継続中。「ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち」 レビュー

「ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち」 レビュー

PSで発売されたDQシリーズ7作目を、3DS向けにリメイクしたもの。 ほとんどを一から作り直し、全く新しく生まれ変わったといえる一品。

プレイヤーはある漁村に住む少年となり、ふしぎな石版を集めて異世界と行き来し、世界の謎に迫っていきます。

全体的に丁寧かつ良好なリメイクである一方、細かい所で今一歩と感じる点などもあり、オリジナル同様賛否分かれそうなものに。 ただ、難易度の低下など遊びやすくなっているのは確かなので、オリジナル版を途中で断念した人でも再挑戦のしがいはあるかと思います。

また、キャラクターの猫写も細かくなったので、愛着がわきやすいかと。

 icon-smile-o ここがイイ!

  • フルポリゴンになり、圧倒的に表現力の増した世界やキャラクター。
  • 息遣いすら聞こえる、力の入ったBGM。
  • 全体的にテンポよく進むよう改善され、オリジナル版にあったストレスは大きく減りました。

 icon-meh-o 微妙・惜しい

  • オムニバス形式といってもよいストーリーは連載ドラマのようですらあって楽しめるものですが、一方で、支離滅裂・首尾一貫していないなどというような印象を受ける人もいるでしょう。
  • 「上級職で覚えた特技は引き継げない」という新職業システムは上級職の個性を引き立たせるものになりましたが、パワーバランスはあまりいいとはいえないです。

 icon-frown-o ここがダメ!

  • シンボルエンカウントシステムが手抜き実装としか思えない。 随所にてストレスのたまる挙動になっています。
  • ここまで遊びやすくしたのなら、石版から飛んだ世界でもルーラ・キメラのつばさを使えるようにしてもよかったのでは?
  • すれちがい通信を利用した石版・ダンジョンの仕様が煩雑・手抜き。 最適化されていない。
  • カメラワーク。 フィールドで障害物にプレイヤーが隠れたり、狭いダンジョンでカメラ回転不可だったりと、視認性はイマイチ。
  • 新規追加されたテキスト(冒頭でのマリベルのセリフなど)に違和感を感じる部分も。
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久々の良リメイク!

これまでにもDQはリメイク作を出しており、バランスがおかしなことになったり、重要なシステムを言い訳しつつ削ったりと色々とやらかすことがおおかったのですが、本作はそこまでやらかしているということもなく、素直に楽しめるリメイクになっているかと思います。

全体的に難易度バランスは下方修正されたことで簡単になっていますし、元々がクリアするだけで100時間近くかかっていた作品ですから、サクサクと進めるようになったのは既にオリジナルをプレイした人からすれば「GJ!」としかいいようがありません。 作品にハマってやりこむならまだしも、単にクリアするだけで100時間とかかったるいですからね。

遊びやすくなっただけでなく、全面的にフルポリゴン化されたことで没入感がアップ。 フィールドもDQ8程ではないにせよ広大さを感じるようになり、冒険している感がかなり向上しました。 携帯ゲーム機ながら引きこませてくれますし、既にオリジナル版をプレイしているにもかかわらず、新鮮な気持ちで歩きまわる事が可能です。

キャラクターも表情豊かになったり、NPCに固有グラフィックが与えられたことで演出力が大幅に上昇。 ああ、こいつはこんな感じだったのか、とかプレイ済みの人でも楽しめるかと思います。 主人公らの歩行・ダッシュのモーションも可愛らしいので注目すべきですね。

フルート奏者の息遣いが聞こえるとか誰得ですか

プレイしはじめの頃に一番ビックリしたのはですね、やっぱりBGMの出来栄えですかね!

フィッシュベル(主人公の住む漁村)などで、なーんか妙なノイズ?が聞こえるなぁと最初は思っていたんですが、気になってヘッドホンを付けて聞いてみたらビックリ。

そのノイズは、フルート奏者のブレス……息継ぎの音だったΣ(゚Д゚)

本来はブレスの音とか収録しないようにするとか、聞こえないようにするのがプロなんじゃないかなぁと思わなくもないんですが、そんなブレスの音を拾っちゃうくらいには、高音質というかそんな感じなのです。

それだけに効果音がこもりがちな音(3DSのスピーカーのせいかもしれないけど)なのが残念ですね。 もっとクリアな音で聞きたかったです。

追加要素部分については作りこみ不足

概ね既存部分は改善・進化している本作ですが、新たに追加された部分には不満が多く残ることになりました。

そう、すれちがい通信とそれで手に入る石版(のダンジョン)です。

まず通信の設定なんですが、何故にこんなに煩雑にしたのか?と。

そもそもすれちがい通信についての説明からして煩雑です。 わかりにくい言い回しでグダグダダラダラと延々語り続け、より混乱を深めそうな“例示”までしてくれる始末。 なんでこんな単純なことをわかりにくく説明するのかな?と疑問に思うわけです。

要は「すれちがい通信で石版をやりとりできるのはひとつの冒険の書だけ。その他の冒険の書では使えないよ」というだけのことを、なんだか難解なもののように、まわりくどく、ウダウダと教え込まれるのです。

私の文章のように、かじりついて読むものを疲弊させ、理解力をごっそり持っていく悪文です。

説明がわかりにくいだけかと思ったら、大間違いです。

肝心の通信・交換システムもなんだかイマイチわかりにくい・使いにくいです。 携帯ゲーム機のタイトルなので、直感的に簡単に操作できるようにすべきなのに、曖昧でわかりにくい名称や、無闇矢鱈に「よろしいですか?」と頻繁に確認してくるアラート、いちいち石版を付け外ししないとダンジョンに挑めない台座などなど、かったるいことこの上ないです。

幸いゲームクリアするだけなら全く利用しなくてもいいわけなんですが、やりこみプレイなどをする場合には避けて通れないシステムなので、完全無視するのも楽しみを削ぐわけでして。

これ、もっとなんとかできたでしょうよ?

ダンジョンもイマイチ……。

そうして飛んだダンジョンは自動生成ダンジョン?的な様相を呈していますが、それゆえの弊害もあります。

要は既存マップのつぎはぎで生成されているわけなんですが、それゆえ、マップの方向というものがメッチャクチャになっております。

カメラが北向きの状態で南へ進んだのに、マップ移動後はカメラが北向きの状態で進行方向は北(南へ進むとさっきの場所へ戻ってしまう)というチグハグなものになっています。 細かいところですが、この素人がツクールでやってしまいそうなマップの連結には苦笑しつつもイライラさせられます。

文字にするとわかりにくいですが、画面で言えば上から下へ移動しているのなら、次のマップでも上から下方向へ移動するのがセオリーです。 が、自動生成でテキトーに組み合わされたマップなので、次のマップでは下から上へ移動しなければならないこともある、ということです。

上下によらず左右反転などもあるでしょうから、細かいようですが、結構イラつきます。

そのダンジョンもやり込み用とはいえ、せいぜいモンスターの心稼ぎ程度にしか使えず、なんかやたらめったら強い隠しボスがいるわけでもないというのがなんとも……。

そういう意味では、カジュアルなんでしょうね。

でもなんだかんだでシンボルエンカウントが一番ダメ

このすれちがい通信関係は“使わなきゃいい”のでいいんですが、本作をプレイする上で絶対不可避な要素であるシンボルエンカウントの仕様が最大のネックです。

シンボルエンカウントの悪いところをかき集めたような、かなりヒドい仕様です。

  • マップが狭いのに、わんさかひしめきあい、通路を塞ぐ。
  • しかも移動速度が概ね速い。 索敵範囲もまぁまぁ広い。
  • 当たり判定が見た目以上にデカい。
  • エンカウント後の無敵・透過時間なし。
  • 結果、通常のランダムエンカウントよりもエンカウント率が上昇。

……っとまぁ、こんな具合です。

ここに軌跡シリーズのように「パーティメンバーに接触してもエンカウント、かなりの確率で敵の奇襲」が加わったら、かなりの確率でぶん投げていたかと思います。

いくらテンポがいい、難易度が下がったとはいえ、頻繁に敵と接触すればフラストレーションもたまるというもの。 「戦いたい←→戦いたくない」というスイッチングが可能という美点をことごとく潰した本作のシンボルエンカウントに、いい印象は持てるはずもありません。

総括

エンカウント、カメラワーク、新規追加要素と言った部分には不満が募るものも多いですが、全体的に見れば及第点以上の物がある作品です。

スキマ時間にでも進めようと思えるのは、改善されたテンポや難易度のおかげもあるでしょうし、存外悪くない操作感などもあるでしょう。 しかもコンパクト化するどころか、没入感は向上してすらいます。

懐かしさと新鮮さが同時に楽しめるという、非常に稀で、嬉しい気持ちにさせてくれる良リメイクだと思います。

ただやっぱりツメの甘いところを見ると、決定版が欲しいなぁという欲張りな感情もあったりなんかします。

ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち 公式プロモーションサイト

書いた人はこんな人

壬生狼
壬生狼(みぶろ)と申します。 miburo666/ルプス(Lupus)は概ね同一人物。 ゲーム、音楽、映画/アニメ、イラストなどが趣味。 ここでは音楽や映画/アニメを中心に、趣味関連の記事を書いていきます。
記載されている会社名・製品名・システム名などは、各社の商標、または登録商標です。
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『「ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち」 レビュー』へのコメント

  1. 名前:ビビリ~ (@narcissusid) 投稿日:2013/04/20(土) 14:49:57 ID:87441eb6f

    こんにちは。DQ7はほぼ未プレイですが、整理されたわかりやすいレビューでとても参考になりました。
    個人的に興味深かったのは、まずはやはり記事でネックとされているシンボルエンカウントの件ですね(というかDQ7がシンボルエンカウントだったことを初めて知ったのですが;)。
    避けようと思えばある程度避けられる自由性が潰されてしまうと、たしかにプレイヤー側としては非常にストレスです(汗)。
    しかし携帯ゲーム機でオケ音源(奏者のブレス音入り)を採用するという無d…贅沢ぶりには思わずにっこりでした(笑)。

    • 名前:壬生狼 投稿日:2013/04/20(土) 15:43:13 ID:5876f5258

      どもどもです! わかりやすいと言っていただけて嬉しいですわ!!

      >避けようと思えばある程度避けられる自由性が潰されてしまうと、たしかにプレイヤー側としては非常にストレスです(汗)。
      そうなんですよ~。 フィールドならともかく、ダンジョン内ではほとんど「避けられない戦い(キリッ」ってなもんで、連戦に次ぐ連戦になりかねないのです。

      リポップ(再出現までの時間)も割と速いので、やっぱり戦闘後の無敵・透過時間が欲しかったです(‘A`)

      ゲーム内蔵音源とかも味がありますけど、やはりオーケストラも鳥肌モンですからねぇ! 耳元でブレスされているような感覚は別の意味で鳥肌モンでしたけど!!

      っというわけでコメントありがとうでした~

  2. 名前:えびちゃん 投稿日:2013/04/20(土) 20:25:10 ID:9e391d501

    うわ~!私のイライラの原因を見事に拾ってくれてます(^-^)/凄い!

    当たり判定でかいですし、狭い通路にでかい敵がいるし。
    ワールドカメラどっち選んでもいまいち。

    モンスター職は上級でも覚えたら消えないのですが、弱いモンスターでも上級職並みに上がりにくいです(-“”-;)普通って書いてあるのに全然上がりにくい!上級モンスターにするために8匹マスターにするのが滅茶苦茶大変です。上級職の勇者にする方が簡単に思えます。

    それとレベルが上がると、低いモンスター倒しても職レベルが上がらないのでメタルには手を出さずせこせこ職のレベルあげ(^o^;)
    先週彼氏に「自分の石板の洞窟だとどんな弱い敵でも職レベルが上がるんだよ」と教えられました。攻略サイトに載っていたそうですが、分からない人は損するシステムです。

    なんだかコスタールから先に進めないで自分の石板のダンジョンで職覚え、完全に作業ゲーと化して忌ます。
    トモコレに浮気してしまいました(笑)

    • 名前:壬生狼 投稿日:2013/04/20(土) 20:51:03 ID:5876f5258

      どもどもです! 同じイライラを共有できたようで、なにより(?)ですww

      シンボルエンカウントも、カメラワークもプレイすれば割とすぐわかりそうなもんですが、ろくにテストプレイもしなかったのかもですね~

      >モンスター職
      上級のも引き継げるんですね! モンスター職はほとんど無視していたのでそこまでは知りませんでした。 下級モンスター職はろくな特技も憶えないし、普通の職業で覚えられる特技ばっかりでなんだかなーですね。

      職業経験値の件は、私もなんらかのサイトで見知りました。 ネットで調べるのが前提になってきているとはいえ、明らかに損・不利になるのはどうかなと思いますよね。 というか、DQの職業経験値システム自体が微妙という気もします。

      どうしても効率的に、うまい具合に進めようとすると作業になってしまいますねぇ(´・ω・`)
      トモコレでのんびりまったりするうち、世界を救いたくなったらDQ7に戻る……みたいな感じでいいと思いますよwww

      ではコメントありがとうでした!