こちらで更新継続中。Heaven Shall Burn「Veto」 レビュー

Heaven Shall Burn「Veto」 レビュー

ジャーマンメタルコアの最先鋒、Heaven Shall Burnの7thアルバム。

今回はメロディに力を入れている印象で、ミドルテンポの曲が多め。 速さや突撃音とでも言うべき破壊力は気持ち控えめで、とにかく暴虐性を期待する人は物足りないかもしれませんが、練りこまれたメロディなどアルバム単体としての完成度はかなり高め。

メロディ重視とはいえ、そこはHSBですから、しっかりとアグレッションは健在ですし、お馴染みのストレートなカッコ良さが光る良盤です。

なお、限定版にはライヴ音源も付属。

 icon-smile-o ここがイイ!

  • 過去作にあった“哀愁”“悲壮感”を彷彿とさせる、練られたメロディ。
  • 本作でもエレクトロ・シンセサウンドをうまく取り入れ、金太郎飴になりがちな各曲のサウンドに、個性を持たせています。
  • 今までにないアプローチの曲もあります。
  • 今回もよくわからん基準で選ばれたカバー曲で驚かせてくれます。

 icon-meh-o 微妙・惜しい

  • 一応疾走というか突撃するような曲はあるものの、ミドルテンポの曲が多い・印象に残るので、物足りなく感じる人もいるかも。

 icon-frown-o ここがダメ!

  • とくになし。
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どことなく初期~中期サウンドを彷彿とする部分も

1曲目の「Godiva」はジャケットにもなっているGodiva(ゴダイヴァ)夫人についての曲。 彼女の悲哀を歌ったものなのか、哀愁を感じるメロディが印象的です。

続く2曲目「Land Of The Uplight Ones」ではいつものHSBらしいゴリゴリサウンドに戻りますが、どことなくAILDを彷彿とする曲の入りですね。 本作の中ではかなりアグレッシヴな曲となります。

3曲目「Die Stürme rufen Dich」はエレクトロニカっぽいイントロ・アウトロが挿入されており、曲構成自体も初期~中期のものに近い印象を受けます。 ちょっと懐かしい。 Born From Painのヴォーカリストがちょこちょこ一緒に叫んでいます。

4曲目となる「Fallen」は「Deaf To Our Prayers」の「Counterweight」を思い起こされる、疾走感あふれるイントロとこちらもどこか中期を思わせる曲展開となっています。

5曲目はストーリー性のあるPVが良い感じだった「Hunters Will Be Hunted」。 「Whatever It May Take」の頃のシンセサイザーっぽい、やや荘厳な音響とともにドラマティックな曲が展開。 曲の流れもシンプルでかっこ良く、トレモロリフが冴え渡ります。

タフガイな感じでゴリゴリした6曲目「You Will Be Godless」を経て次に流れるのは……なんと!Blind GuardianのValhallaのカバー!! なんか聞いたことあるなぁ~っとぼんやり聞いていましたが、サビのやけにドスの聞いた「Valhalla~♪」で思わず吹き出しましたww

こう書くとイロモノカバーに思えますが、意外と良アレンジ・良カバーで、男の戦い!ってな印象はこちらのほうが上。 男臭いValhallaもかっこいいもんです。 なお、Hansi Kürsch本人もゲスト参加しています!

9曲目以降はややスピードダウンしてミドル~ローテンポな曲が続いてしまいますが、最後を飾る「Beyond Redemption」は彼ららしい哀愁・悲壮感をこれでもか!と詰め込んだ逸品。 激しさと美しさを兼ね備えた美メロに酔いしれることができます。

そして、限定版には更に12曲目が存在し、Killing Jokeというインダストリアル・ロック(?)バンドのカバー。 せっかくの余韻が薄らいでしまうような選曲ではありますが、まぁ、おまけですし、こういうお遊びは嫌いではありません!

総括

いやはや、かなり満足です!

彼らのアグレッションをとにかく望む人にとってはやや破壊力が欠けるとは書きましたが、本作ではそれは欠点ではありません。

ともすれば金太郎飴になりやすいHSBサウンドながら、今回はとりわけ一曲一曲の個性が際立っており、かなりメロディ作りに腐心したのではないかと思わせる内容となっております。

曲の流れ的にもシリアスな中にいきなりValhallaを持ってきたりと、ちょっと不思議ちゃんな印象も受けないでもないのですが、アルバム単体の完成度は近作の中でも屈指と言えます。

HSBファン……特に、メロディラインに惚れ込んでいる人には、久々の哀愁炸裂サウンドの応酬は嬉しい限りです!

書いた人はこんな人

壬生狼
壬生狼(みぶろ)と申します。 miburo666/ルプス(Lupus)は概ね同一人物。 ゲーム、音楽、映画/アニメ、イラストなどが趣味。 ここでは音楽や映画/アニメを中心に、趣味関連の記事を書いていきます。
記載されている会社名・製品名・システム名などは、各社の商標、または登録商標です。
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