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「ロストディメンション」 レビュー

裏切り者をあぶり出し、“消去”し、先へ進む――。 そんな、人狼要素を盛り込んだ作品。

体験版で感じた不満はそのままに、更にストーリーや結末の微妙さ、バランスなどの調整不足が光る、フリューらしい作品となっていました。

 icon-smile-o ここがイイ!

  • イラストはそこそこ。 立ち絵アニメーションもあり、結構ヌルヌル動いて好印象。

 icon-meh-o 微妙・惜しい

  • キャラ個性は良くも悪くもあるものの、深みはなし。

 icon-frown-o ここがダメ!

  • 3Dポリゴンのデザインがひどい。 キャライラストと印象が違いすぎる。
  • 時代錯誤も甚だしい低レベルなアニメシーン(プロローグなどで挿入)。 粗製乱造の名も無きアニメのようなひどいもの。
  • fps落ちはしょっちゅう。
  • 戦闘のテンポ悪し。 バランスも当然、いいとはいえない。
  • UI操作感も悪い。
  • メインキャラ2名(いずれも俳優・女優)のcvがひどい。
  • 思わせぶりな発言ばかりでうんざりするストーリーテリング。
  • 消去にまつわるエピソード・葛藤などはほぼなし。
  • 深層心理を探る「ディープヴィジョン」での対象キャラの心の声のバリエーション極少。 表現はSOUL SACRIFICEの記憶の欠片集めとモロかぶり。
  • 要するに全体がいい感じにダメ。
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色々手を出してみたけど、うまく作れなかったよ!

広げた風呂敷の広さと、完成度の低さに愕然とする皆さん。

本作は流行の人狼を軸に、SEGAの「戦場のヴァルキュリア」や、SCEの「SOUL SACRIFICE」などをぱk 参考にして組み上げられた、SRPGのような何かです。

先の体験版をプレイした人や、公開されたトレーラーを見た人からはクソゲー呼ばわりされてきた本作ですが、蓋を開けてみれば限りなくクソゲーに近い微妙ゲーでした。

前述のようにダメな点ばかり目立つものの、少なくとも一周目は最後までプレイしてみようという気にもなり、多少苦痛を伴うとしてもプレイできないことはないレベルだったのはせめてもの救いです。 フルプライスの価値はないですが。

それぞれの要素やコンセプトは面白みのあるものですが、いかんせん、そのどれもが薄味なものを引き伸ばしてみたものばかりだったりして、トータルの完成度を下げています。

そうして、微妙ゲーあたりの評価が妥当ではないかと思いいたったのです。 以下では、数多くあるアレな点をいくつか書いていこうと思います。

ストーリー面:薄い・浅い・引き込まれない

重そうなテーマの割に、思わせぶりな展開ばかりでちっとも進展せず、最後もTo be continued形式で丸投げだったことに恐れおののく皆さん。

本作が推したかったであろうストーリーは、システム的制約のせいもあってか非常に薄いものになっています。

突如現れたピラーという塔に、主人公たちは命がけで時に協力し、時に敵対しながら挑んでいき、ジ・エンドという敵を倒すのが目的……というのがメインシナリオ。 その過程で、本作のコンセプトのひとつである“裏切り”(ないし“消去”)を絡ませてくるわけですが。

ここで本来あるべき仲間同士の衝突や裏切りに対する動揺・葛藤などなど……そういったものがかなり薄味なんですよね。

薄味にならざるを得ないのにはシステム的制約が大いに関係してくると思います。 裏切り者は1プレイごと(スタート~エンディングを1プレイと数えて)に変わるので、当然、ある地点での生存者というか仲間の組み合わせはそれなりの数があるわけです。

A,B,Cという人間がいたとして、Aが裏切ってB,C健在というパターンがあれば、B以外死亡ということもありえますし、このうち誰も残っていないパターンもありえます。

そうしてみるとフルボイス化できないのは当然のこと、テキストも多くの種類を用意する必要があり、結果、いまいち咬み合ってないような口々に好き勝手くっちゃべる会話シーンが多くなるのです。

ゲーム的には毎回裏切り者が変わるというのはリプレイアビリティ(リプレイ性)に繋がるのかもしれないですけれど、ある程度シナリオにも重点をおいたデザインの場合は、薄味であるほどにそこにマイナス修正がかかるように思われます。

そこのところで、本作のシナリオはリプレイアビリティには何ら寄与するものではなく、むしろ、害の方が多いように見えるのです。

更に。

そうして薄く引き伸ばされた(内容のない)シナリオは、さんざん道中で思わせぶりなセリフで引っ張っておきながら、最後の最後まで思わせぶりなセリフを吐くことで終わっていまいます。

ここまで引っ張ってきておいて、あるひとつの地点における結末をも放棄しているのです。 真実を知るには複数回プレイが必須というデザインは多くあるものの、初回プレイでもひとつの結末を迎えるものがほとんどです。

しかし、本作は申し訳程度にエンディングテロップを流してはみるものの、まったくもって結末を迎えたという気がしません。 カタルシスも感動もなにもないのです。 勝手に始まって勝手に終わったサブのミニクエストが終わりました、程度のものです。

こんな消化不良どころか未消化物のほうが多いエンディングはそうそう見かけないです。 そして当然、周回プレイをする気なんて起きるわけもなく、私はプレイをやめました。

システム:快適性の追求不足

その上、快適性を度外視した謎設計に、険しい表情のまま言葉をなくすプレイヤーの方。

本作を遊び尽くそうと思えない理由は、なにもシナリオの不備だけではありません。 やはり、快適性が追い付いていないのも大きな理由です。

戦闘シーンはもちろん、拠点での3Dポリゴンキャラが表示される画面でも処理落ちを起こしているのかfps(フレームレート)は落ちます。

更に、戦闘では事あるごとに細かいロードを挟むことによってテンポを悪くすることに成功。 おまけに敵のもっさり移動アニメーションを必ず見なければならず、無駄に戦闘は長引きます。

その他、全体像が見難く選択に不便さを感じるスキルツリーや、カーソル操作がしにくくタッチ操作ができない拠点メニュー等、快適性を完全無視したアルファ版クオリティのオンパレードです。

イラッと来るまでではないものの、細かい不満が徐々に徐々に蓄積していき、長時間プレイに苦痛をもたらしプレイ意欲を確実に削いでいく設計と言えましょう。

また、キャラクターは個性的なためにお気に入りのキャラを見つけることもあるでしょう。 しかし、前述のランダムな裏切りシステムのおかげで、必ずしも最後まで仲間として戦ってくれるわけではありません。

これはゲーム中に存在する信頼度をいかに高めようとも、個人のエピソードを最後まで見て強い絆を結ぼうとも、裏切るときは裏切るのです。 ここがなんともはや。

もちろん、その過程で絆を深めたキャラとの哀切感漂うやりとりなどが展開されれば、かなりドラマティックなものになったでしょう。

しかし実際に見られるのは鼻白む三文芝居。 結果、お気に入りキャラがシステム的に排除されてしまうという辛さのみが残り、切なさを深い感情移入へ昇華させるには至っていないのです。

そして全キャラと強い絆を結べた時、はじめて真のエンディングを迎えられるらしいのですが、狙って絆を結べるわけではない(その前に裏切るかもしれない)上、周回時のデータ引き継ぎがほとんどできないなどの理由から、システム的にも真のエンディングを目指そうという気持ちが砕かれてしまうのです。

総括

本作のダメ出しは本来ならまだまだ続きますが、ここまでの記述……というか、記事冒頭の簡易評価でどの程度のものかはお察しいただけるかと思います。 そして、挿入してきた画像から、アニメシーンのレベルの低さも伺えるかと。

キャラや世界設定、ストーリーに深みや魅力があるわけでもなく、さりとて、素晴らしいゲームシステムでもない。 むしろ、それぞれの完成度の低さがお互いの足を引っ張り、なんとも微妙な作品に成り下がっています。

確かに今回のコンセプトを、シナリオとシステムの両立を実現しつつ表現するのは難しかったかもしれません。 しかし、であれば、どちらかを多少犠牲にしてもう一方の方で光るものを残して欲しかったですね。

現状ではどちらもイマイチダメ、としか言いようがありません。 よほど気になったキャラ・システムがあるわけでもなければ(本音なら「あったとしても」)手に取る必要はありません。 おそらくそれは、予想を悪い意味で裏切るだけでしょうから。

なお本作はPS3/PS Vita版が存在し、私はPS Vita版をプレイしました。 処理落ちはPS3版でも存在するかは未確認です。 また、出来栄えとしてはPS3で遊ぶほどのものではありません。

全てはこのセリフに集約されています。

書いた人はこんな人

壬生狼

壬生狼(みぶろ)と申します。 miburo666/ルプス(Lupus)は概ね同一人物。 ゲーム、音楽、映画/アニメ、イラストなどが趣味。 ここでは音楽や映画/アニメを中心に、趣味関連の記事を書いていきます。


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