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「信長秘録 下天の夢」 レビュー

信長秘録 下天の夢

物語は本能寺の変からはじまり、プレイヤーは織田信長となって時を超え、自らの生き方や歴史すらも変えていくのがコンセプト。 時代劇や大河ドラマのような趣のある演出や音楽、味のある挿絵、そして読み応えのあるテキストが魅力の作品です。

知名度は恐ろしく低いかと思いますが、隠れた名作のひとつといってよいほど完成度が高く、魅力にあふれる逸品です。

 icon-smile-o ここがイイ!

  • 挿絵、BGM、テキストのいずれも雰囲気たっぷり!
  • キャラクターの描写が事細かで、有名・無名問わず魅力たっぷりに描く。 特に、明智光秀の描写は秀逸そのもの。
  • ifの物語もバラエティ豊かで、とっぴもないものもあって楽しめる。
  • 人物録という、ルート回収を利用したやりこみ要素も。

 icon-meh-o 微妙・惜しい

  • “ライバル”など、ほんのごく一部に適切とはいえない表現がある。 メタ的な説明が入ることもあるので、ダメとも断言出来ませんが……。
  • 既読スキップ、ゲーム中のロード、エンディングテロップのスキップが欲しかった。

 icon-frown-o ここがダメ!

  • とくになし。
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詳細

一つ前に書いた「高2→将軍」と一緒に買った本作。 どちらも戦国時代に関するノベルというていを成していながらも、両者とも別々の魅力があります。

こちらは比較的硬派な印象があり、まさに時代劇……というよりは大河ドラマの小説版を読むような感じで楽しめるものになっています。

本作を大河ドラマっぽく仕上げているのはシナリオだけでなく、雰囲気のあるBGMや、味のある挿絵、魅力的な人物描写にあります。

とはいっても堅苦しくなりすぎることもなく、信長が商人として生きることになったり、桶狭間であっさり死んだり、女謙信とくっついたりと、大河ドラマでは味わえないエンターテインメント性も充実。 史実どおりに進めれば時代考証などの行き届いたシナリオが展開しますし、かなり完成度の高いシナリオ郡ですね。

ifシナリオであるにもかかわらず「確かに、こうなっていたかもしれない」「なるほど、こうなる可能性もあったか」と思わせるように説得力があります。

人物の描写も細やかで、特に織田信長と明智光秀の描写に優れています。 前者は苛烈ながらもひたすら人間臭い織田信長を、後者は知的すぎるゆえ繊細な明智光秀を見事に描いています。

本能寺の変の真実(選択次第で大きく内容も変わる)を求めるのも醍醐味ですが、こういった様々な人物の裏や表を味わったり、あるいは、史実と異なる立場に置かれた人物の描写に浸るのも良いでしょう。

いわゆる悪い意味でのキャラ崩壊のたぐいはほとんど見受けられず、すんなり受け入れられるはず。

人物録

本作には出会った人物を記録する人物録が搭載されており、これを集めるのも楽しみのひとつ。

ただ集めるだけでなく、これが全て集まった時には、さらなるシナリオへの入口が開くといいます。 しかも、秀吉や家康のような頻出の人物は、逆に人物録への掲載が難しくなっており、ある特定のルートを辿らねば記録されないようになっています。

ただルートを探り、辿ることになりがちなノベルゲームの中で、こういうコレクション要素を加えるだけでもゲームとしての印象は結構変わってくるものですね。

数が多いので、なかなかその最後のシナリオに到達するのは厳しいですが、「読みたい!」と思わせるような魅力を本作は持っています。

総括

既読文やエンディングテロップのスキップ、ゲームプレイ中のロード機能の3つがないことは快適性を損なっている気もしますが、それを補って余りあるほどの内容に満足です。

選択肢の選択には多少の歴史的な知識やカンが必要になる部分もないではないですが、どのルートに派生(たとえバッドエンドでも)しても楽しませてくれる内容になっていますので、多少の苦労を押してでも続きを、もしくは異なる展開を読みたいと思えるでしょう。

ぜひともPSPかPS Vitaで手軽に、そしてじっくりと読み込んで欲しい作品です。

書いた人はこんな人

壬生狼
壬生狼(みぶろ)と申します。 miburo666/ルプス(Lupus)は概ね同一人物。 ゲーム、音楽、映画/アニメ、イラストなどが趣味。 ここでは音楽や映画/アニメを中心に、趣味関連の記事を書いていきます。
記載されている会社名・製品名・システム名などは、各社の商標、または登録商標です。
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『「信長秘録 下天の夢」 レビュー』へのコメント

  1. 名前:蔵元三四郎 投稿日:2014/04/18(金) 20:53:13 ID:dc7ac2840

    感謝!

    新たなゲームソフトへの挑戦動きの中で
    これまでの経験やら実績、履歴のアピールが必要となり、
    過去のことなどネットで検索、こちらでのご紹介を知りました。

    ソフトの制作会社は昨年閉じられたみたいですね。

    共作の井川さんは「井川香四郎」というペンネームで
    時代小説を沢山お書きになっています。

    杉さんは藤田まことさんがお亡くなりなった以降、
    「はぐれ刑事」などのTVドラマから離れ、
    今は現代川柳の第一人者になられました。

    とても懐かしい作品です。

    蔵元三四郎

    • 名前:壬生狼 投稿日:2014/04/18(金) 23:23:56 ID:66222a030

      こちらこそ拙ブログへの訪問とコメント感謝です!
      というより、予想外の方からのコメントに驚いております!!

      本作に携わった方々は、その後それぞれに多様な“歴史”を綴っていたのですね。
      そして、そうそうたる名前を拝見し、本作の味わい深さとテキストから漂う雰囲気に納得いたしました。
      なるほど、そうだったのか、と。

      また、新たにゲームソフト制作への挑戦をされるということですが、再び作品を通じて巡り会えたらなと思っております。
      是非に再び味わい深い作品をプレイさせてくださいませ!
      陰ながら応援させていただきます!!