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「TIME (原題:IN TIME)」 レビュー

TIME/タイム 2枚組ブルーレイ&DVD&デジタルコピー〔初回生産限定〕 [Blu-ray]

舞台は近未来。

人口増加抑止のために25歳を境に年を取らなくなる代わりに、余命1年に設定される遺伝子操作が行われている。それ以上生きるためには通貨とも言える「時間」を稼がなくてはならず、時間切れはすなわち死を意味する。

当然ながら、まさにその日暮らしの貧民と、なにもせずとも日を送れる富裕民に大きく隔たりが発生していた。

ある日、スラムに住むウィル・サラスはスラムに訪れていた富裕民の男と出会う。そしてその出会いは「1世紀」の時間を受け取るとともに、大きな事態へと発展していくきっかけとなるのであった。

 icon-smile-o ここがイイ!

  • 時間を用いた諸設定(余命、通貨利用等)が新鮮で面白い。
  • タイムリミット=死という設定が一部シーンでスリル感を増幅させることに成功している。
  • 永遠の命は果たして幸福か?という命題にも触れる内容。

 icon-meh-o 微妙・惜しい

  • 25歳から老化が進行しないという設定だが、25歳にどう見ても見えない人物がちらほら。
  • 近未来の話であろうに、一部ハイテクっぽい機器を除いて武器兵装が現代的すぎる(AUGとか使っている)。

 icon-frown-o ここがダメ!

  • 前半に比べての後半の失速ぶり。
  • どう決着が着くのか楽しみだった諸対立も拍子抜けするほどあっけなさすぎる結末。
  • 人物描写の掘り下げがやや物足りない。
  • 時間を賭けてのバトルが視覚的ではないので、絵面的には全く面白くない。
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詳細

本編冒頭で触れられるものの「どうしてこういう世界になったのか」は語られません。大いなる陰謀だとか、そういった意味でのスケールの大きさはなく、そういった路線を期待すると肩透かしを食らうかもしれません。

本作は「時間」をテーマにしつつ貧富格差などの風刺的なにおいも色濃く見える作品であり、世界観の形成といった部分の設定は重要ではありません。

この世界に住まう人間は25歳になると余命が1年に設定され、それ以上生きるのならば労働をして「時間」を稼がなければなりません。腕には常にデジタル時計のようなものがあり、カウントダウンし続けています。これがゼロになる前になんとかしないと、どんな健康体であろうと死亡してしまいます。

この設定は本作の割とスピーディな展開に最適で、様々なシーンでの名実ともにタイムリミットが迫るというスリリングな演出に一躍買っています。

ニッチなところだけれども、気になるものには気になる小道具

細かいところなのですが、近未来を舞台にして一部でそれらしいハイテクっぽい端末やデザインのオブジェクトが存在する一方、作中で使用されている銃火器などが現代で使われているものがあります。

例えば、終盤の銃撃シーンにて主人公側を追い詰めるタイムキーパーの装備がAUGというアサルトライフルなのですが。 これは1970年台末に初期型が作られたものであり現代でも使用されているものですが……本作くらいの未来でも正式採用されているかというのは疑問です。

ただし銃器に興味のない人にとっては、そのSFチックな外観に違和感は覚えないかもしれませんし、画面に映るのも僅かな時間なので重箱の隅をつつくような事かもしれませんね。

ストーリーテリングと演出にガッカリ

残念でならないのが後半から結末にかけての失速感でしょうか。

相変わらずタイムリミットは存在しスリリングな場面もないではないのですが、主人公の短絡さやいまいち緊張感のないシーンなどが重なって序盤ほどの引きこまれ方はしないです。

特に面白い対立様式を見せてくれそうだったタイムキーパーやヒロインの父親などもあっけなくヒネリのない幕切ればかりで、少々期待を裏切られる形に(さほど期待していなかったにもかかわらず、です)。

題材や設定の切り口が面白かっただけに、平々凡々で面白みのないこの展開にはややがっかりです。

また、時間を賭けて戦うバトルというものが存在しますが、腕相撲のようなものである上に腕相撲よりも動きが少ないというシロモノ。時間=余命を賭けている割にはとても地味なので、緊迫感が伝わって来ません。もともと派手さのないデザインの作品なので仕方がないのでしょうけれども。

総括

総合的にあまり期待せずに観てみたら、その心構えを裏切ることはなかった出来でした。つまり、それほど大した作品ではありませんでした。

もちろんテーマとする素材の目の付け所や、サスペンス/スリラー的なスリル感も決して低くはありません。 しかし全体的には設定を活かしきれていない部分や、新鮮味や驚きの少ない終盤と結末こそがイマイチな印象を強く与えていますね。

奇抜な設定の割に驚きや発見はあまり多くないですが、持つものと持たざるものという異なる立場の微妙な言い回しの味や、エンターテインメント作品としてのポテンシャルは並以上のものを持っている作品ではあります。

もったいない!

PV:

書いた人はこんな人

壬生狼
壬生狼(みぶろ)と申します。 miburo666/ルプス(Lupus)は概ね同一人物。 ゲーム、音楽、映画/アニメ、イラストなどが趣味。 ここでは音楽や映画/アニメを中心に、趣味関連の記事を書いていきます。
記載されている会社名・製品名・システム名などは、各社の商標、または登録商標です。
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