こちらで更新継続中。「二ノ国 白き聖灰の女王 オールインワン・エディション」

「二ノ国 白き聖灰の女王 オールインワン・エディション」

2011年末に発売された「二ノ国 白き聖灰の女王」の廉価版&コンテンツ追加版。単なる完全版商法ではなく、既に無印版を所有していれば購入し直さなくとも無料アップデートされるのも特徴。

ゲーム自体はオーソドックスで王道ながら、丁寧に作りこまれたデザインと中々のボリュームのやりこみ要素とで、子供から大人まで広く楽しめる内容です。

少年オリバーは珍妙な精霊・シズクに誘われて「二ノ国」と呼ばれる異世界へ旅立つ。

事故で命を落とした母と魂を共有するもう一人の人物を二ノ国で救えば、自分の母親が生き返るかもしれないということだからだ。やがてこの旅は母親を救うだけでなく、二つの世界の命運も左右する壮大な冒険へとなっていく。

 icon-smile-o ここがイイ!

  • スタジオジブリ監修のアニメーションと、高い再現度を誇るゲームグラフィックは温かみと親しみを持ちやすいファンタジー世界を構築している。
  • 久石譲が手がける、作品にぴったりな楽曲の数々。メインテーマやそのアレンジであるフィールド曲、ボス戦の曲など聴き応えのあるものも多い。
  • 子供向けながらも練りこまれたシステムによってやりこみがいはあるし、ボス戦はなかなか手ごわいものもいてやりがいあり。一方で追加要素として難易度「やさしい」の導入によって、ゲームに不慣れな子供にも配慮している。

 icon-meh-o 微妙・惜しい

  • 戦闘のテンポ、操作感、AIにやや不満が残る。慣れればどうということはないが、大味な印象は否めない。
  • ミニゲームとしてカジノも楽しめるが、ブラックジャックでの相手AIがイカサマレベル。

 icon-frown-o ここがダメ!

  • 声あてしている人の技量がバラバラ。俳優などの有名人から本業の声優までごった煮になっているので、一緒に会話をしているシーンともなると違和感がひどい。
  • 加えて重要なキャラクターでも演技が壊滅的なのが数名いて、感情移入と感動からプレイヤーを遠ざけてしまっている。
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詳細

本作は近年では貴重とでも言うべき、古き良き国産RPGのニオイを色濃く残した作品です。いわゆるドラゴンクエスト系の色が特に強く、プレイ感もDQ8あたりを彷彿とさせるものとなっています。

登場するキャラクターは人間の他に猫人間やら鳥人間やらとジブリのファンタジーらしいものが多く出てきて、システム上ポケットモンスター的な立場の「イマージェン」も可愛らしい外見のものばかりです。これらが楽曲とともに非常によく混ざり合っていて、温かな(そしてどこか懐かしい)世界観を構築しています。

ゲームシステムも概ね良好で、前述の「イマージェン」収集と育成やアイテムの合成、クエストやコロシアムなどとにかくもりだくさん。これだけ詰め込むと薄っぺらくなりそうなもんですが、本作ではそれぞれがそこそこのレベルでまとまっており物足りなさはあまり感じません。

特にイマージェンやクエスト、合成はそれなりの数があるのでクリア後もコンプリート目指してプレイできますし、総合的なボリュームはかなりのものですね。

色々とできてしまう本作、それぞれにチュートリアルも充実しているので遊びやすさも保たれています。

戦闘シーンに不満が残る

本作のシステム面で不満があるとすれば戦闘でしょうか。

まずは戦闘テンポですが、序盤で仲間(イマージェン含む)が揃わないうちはザコ戦ですら戦闘が長引きがち。戦闘では主人公ら人間のほか、イマージェンを召喚して戦わせたりするのですが、最高でも3人までという制約があります。

道中で一人でも仲間を見つければテンポはかなり改善されますが、割と長い期間オリバー(と使役するイマージェン)のワンマンプレイを強制されるので、ここを乗り切るまでは戦闘が面倒に感じたりするかもしれません。

また強大な敵相手では「ぼうぎょ」が必須コマンドとなるわけですが、ほぼリアルタイムで近年のテイルズオブシリーズのような小フィールド戦闘の本作において、「ぼうぎょ」がコマンド制御というのは△。焦ってコマンド入力ミスをしたりしますし、とっさの判断で使えるショートカットコマンドでの「ぼうぎょ」も欲しかったところです。

加えて仲間AIの貧弱さも気になりますね。特にボス戦では戦力として期待できない程度のおバカ具合で、無駄に回復したりMPを浪費して気がつけばピンチ・戦闘不能なんてこともザラ。

一応全体命令によって攻勢・守勢を切り替えられるようになりますが、それも少し物語が進んでから解禁されるので、それまでのボス戦は意外と苦戦を強いられる場面が多いかもしれません。

他にも「こうげき」を選択するとターゲットまでの最短距離を移動するのですが。そのルート上に味方がいると迂回もせず走り続け、透過しない(引っかかる)ために放っておくとコマンド実行が無駄になるなど細かいところで気が利かない点もありますが、レアケースかもしれませんね。

声あてしている人の出来不出来が激しすぎる

さて本作において、ともすれば致命傷になりかねないのは「起用声優」の人選でしょうか。

オリバー役の多部未華子、シズク役の古田新太、灰の女王の比嘉愛未は好演している方です。が、パーティキャラであるマル役の長澤まさみ、母親・アリー役である黒田知永子はお世辞にもうまいとはいえない技量……。

特に母親の存在は本作において大きなウェイトを占めるものであるにもかかわらず、棒読みで抑揚のない台詞回しによって本来感動的なシーンも興冷めしてしまいました。

ジブリ的な起用というのも理解できなくもないのですが、もう少し人選をしっかりして欲しかったですね。本業の声優も何人か登場していますが、その人物との会話シーンになると浮きまくるので整合性が……。

総括

惜しい点・残念な点もいくつかあるので、絶賛したり推薦するほどの名作ではないです。

が!影の薄さ(失礼)に反して作りこみや世界観は非常に魅力的であり、かなりの良作なのは間違い無いです。親子でも楽しめますし、レトロなRPGのファンにもアピールする貴重な一品です。

なお、追加要素は

  1. 難易度「やさしい」の追加。
  2. イマージェン3体追加(某所で交換できるチケットの獲得)。
  3. DLC(ダウンロードコンテンツ)の全収録。インターネット環境のない人には朗報。

であり、 前述のように無印版を持っている場合は30MBほどの無料アップデートによってこれら追加要素を楽しめます(セーブデータ引継ぎ可能)。なので、価格帯によっては中古で無印版を購入してアップデートするというのもアリな選択肢かもしれませんね。

PV:


書いた人はこんな人

壬生狼
壬生狼(みぶろ)と申します。 miburo666/ルプス(Lupus)は概ね同一人物。 ゲーム、音楽、映画/アニメ、イラストなどが趣味。 ここでは音楽や映画/アニメを中心に、趣味関連の記事を書いていきます。

記載されている会社名・製品名・システム名などは、各社の商標、または登録商標です。
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