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「Dishonored」 レビュー

Dishonored【CEROレーティング「Z」】 ※修正パッチ適用後のレビューはこちら

TESシリーズ、FalloutシリーズでおなじみのBethesda制作の完全新規ステルスアクション。

主人公・コルヴォは女王お抱えの護衛官で、女王の信頼も厚かった。ところがある日目の前で女王が暗殺されてしまった上に、あろうことか”女王殺し”の汚名を着せられ無実の罪で投獄されてしまう。

獄中で処断を翌日に控えたその日、友人を名乗る者の手を借り脱獄。女王を殺め、自分に汚名を着せた者たちに復讐すべく剣を取る……。

ステルス・暗殺ゲームでありながらBethesdaらしく自由度の高さがウリの本作。なんとゲームを通して一人も殺すことなくクリアも可能だとか。

ゲーム自体は非常に面白いものですが、PS3版は高頻度フリーズがネック。正常にゲーム進行を行えないレベルで、商品としては評価以前の出来でした。

 icon-smile-o ここがイイ!

  • スチームパンク的な趣ある世界観、マップ。そして主人公の仮面。
  • プレイヤーの行動によりイベントや結末が変化する上、プレイごとに発見があるリプレイ性の高さ。
  • 一人称視点ということによる、これまでにない緊張感。
  • ステルス・非ステルスプレイの両方を許容することで、プレイスタイルに合わせた楽しみ方もある程度できる。
  • 特殊能力は戦略上重要だし、なによりエキサイティング。

 icon-meh-o 微妙・惜しい

  • グラフィックが前世代的で、モデルやテクスチャ、挙動が古臭い。しかしなぜか、それゆえに独特の味も感じられるのも事実。
  • 本作の魅力である特殊能力を獲得するまでがしんどい印象。全体的に戦闘難易度は高めか。
  • 一周プレイで重厚長大なプレイ体験を求める人にはやや不向き。何度もプレイして試行錯誤し、スルメのように味わう人には向く。

 icon-frown-o ここがダメ!

  • PS3版に限り、3章突入後からフリーズが超高頻度で発生。マップ切り替えやセーブ時などで発生し、正常なプレイを阻害する。本体設定を英語にすれば抑えられるが、テキストや音声まで英語になるため敷居が高い。
  • 日本語音声・字幕の質の低さ。音声は棒読みだったり、単純に下手くそだったりと低品質で、テキストは直訳に毛が生えた程度で理解に苦しむものも。一部ローカライズ不徹底で、原文が入り混じった不具合もある。

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詳細

本作は近年では人気作・アサシンクリードなどに代表される、ステルス・アサシン系アクションゲームと言えます。しかし両者は似て非なるもので、本作の特徴は”一人称視点”であること。

一人称視点といえばFPSが有名ですよね。あんな感じでのステルスアクションを行うわけなんですが、隠密行動中の緊張感が格別なんです!1プレイすると疲れちゃうほどに。

視界も当然限られますから、どこにいても落ち着かないという特殊な立場ならではの居心地の悪さが味わえます。基本的に敵対勢力だらけなので、常に安心できません。

ただ隠れるだけじゃない!堂々と突撃し、血祭りにすることもできる。

もう一つの特徴としては自由度の高さでしょうか。

本作では暗殺の方法のみならず、「殺すか殺さないか」すら選べるのです。暗殺劇であり復讐劇にもかかわらず、殺さないという選択肢が何故あるのか?

もちろんターゲットを野放しにしておくということではなく、例えば、不名誉を与えて失脚・追放させるといったようなことも可能です。手にかけて汚名をすすぐか、生かして生き恥を晒させるか。この選択はストーリー展開や結末にも影響を及ぼします。

更にミッション中はメインミッション以外にもオプションとしてイベントが発生することがあります。

これらはクリアする必要はないのですが、クリアするとキャラクターの強化に必要なアイテムなどが報酬として手に入ったり、メインミッションを有利に進められる可能性もあったりと、「やって損はない」仕様となっています。

そのミッションやイベントの数々すらもクリア手法は様々。

セオリー通りに遮蔽物や特殊能力を駆使してステルスで立ちまわるもよし。手にした剣と様々な武器、特殊能力で正面突破もよし。

敵の殺傷度合いもイベントや展開に影響してくるので、プレイスタイルいかんだけでも変化が起こるのです。

プレイヤーの行動が常に何かの形で返ってくる。そういう意味ではインタラクティヴなステルスアクションとも言えそうです。

特殊能力を使いこなせ!

プレイヤーはルーンを収集し、消費することでいくつかの特殊能力を習得・行使することが可能となっています。

特殊能力には最初に覚えるブリンク(前方へ高速ステルス移動)のほか、時の流れを止めたり、ネズミや人間の身体を乗っ取ったり、大量の凶暴なネズミを召喚して襲わせたりできます。

これらはルーンの獲得数的にも全て習得はできず、ある程度厳選しなければならない分どれも強力です。

重要なものにダークビジョン(敵の一や視界を視覚化)というものがあり、ステルス行動が重要な本作においては何よりも先に習得すべき能力でしょう。

様々な用途が考えられ、選択によって戦略も印象もガラっと変わるこのシステムも、本作ならではの魅力と言えます。

グラフィックがなぁ……。

本作を起動してみてはじめに感じたのはグラフィックレベルの低さでした。

Unreal Engine3を採用とのことですが、挙動とグラフィックを見るにそれほどフル活用していない印象。どうにも全体的に前世代的な雰囲気が感じられます。

と同時にスチームパンク的な雰囲気は、このどこか古風なデザインが少なからずいい方向へ影響しているようにも感じるのです。

単純な美麗さでは劣るものの、全体的な雰囲気や統一性はGoodです。

リプレイ重視の設計は人を選びがち。

本作は前述のようなイベントやストーリーの分岐を含めて、複数回プレイすることで味が出てくる設計となっています。

恐らくプレイ感や勝手がつかめず、手探り状態が続いていく一周目は本作が与えてくれるプレイ体験の内の半分しか味わえないのではないでしょうか。

メインモードの尺は決して長大とはいえないのです。しかし、各ミッションごとの遊びの余地は非常に豊富です。

ターゲットの暗殺方法、そもそも殺すかどうか以外にもオプション的なものを採用・クリアするのかどうかや、数多く存在する潜入ルートの選定などによって毎回新鮮な攻略が可能となっているのです。

ただその試行錯誤や各ミッションを遊びつくすことで出てくる味にそれほど魅力を感じない人も多く存在します。

JRPGなど一本道である分、クリアまでたどる内容をとにかく濃密に詰め込んでいる作品も多いですよね。そういった作品に多く触れている・好む人にとっては、一周のプレイ時間や内容は希薄に感じて面白みを感じないかもしれません。

逆に数多く選択肢や可能性を用意し、それらをアレコレ試行錯誤して全ての内容を鑑賞するなど
そういった方面のやりこみ好きにはかなりアピールする仕様とも言えます。

あなたが一回のプレイで感動なり大きな満足感を得たいタイプなのかどうか、そこを自己診断した上で本作と付き合っていけるかを考えるべきでしょう。

致命的な不具合があります

ここまで読んでくださり、購入意思を強めて下さった方に、ここで最後の関門が立ちはだかります。あなたはPS3ユーザーですか?Xbox360ユーザーですか?

もしあなたがXbox360ユーザーか、もしくはPC版の購入を考えているなら特に問題なくそのまま購入に踏み切ってもいいでしょう。

しかしPS3ユーザーは少し「待った!」をさせて下さい。私はPS3ユーザーなわけですが、本作は商品としての品質は最低です。

これまでにあった通りゲーム内容はかなり素晴らしいものです。これは翻しようもなく、嘘は言っていません。が、品質だけは、決してほめられたものではありません。

物語が3章へさしかかると、それは発生します。マップの切り替えやセーブ時などに頻繁にフリーズを起こすのです。特にセーブ時のフリーズは本作のセーブデータ破壊を招きかねず、ゲームの仕様以外のところで要らぬ緊張感を強いています。

このゲーム進行に深刻な影響を及ぼすフリーズですが、本体設定の言語設定にて「English」を指定することで症状は緩和されるとのこと。しかしこれでも別の障害が再び立ちふさがってしまいます。

本作には言語パックと音声パックが各国語用に搭載されているらしく、本体設定に合わせてゲーム内音声とテキスト(字幕含む)が切り替わるのです。それゆえ、フリーズ回避のために英語版にした場合は、当然ながら英語音声&英語字幕でのプレイとなるわけです。

もしあなたがPS3ユーザーで、なおかつ、英語に非常に堪能なら、おめでとう、 本作PS3版を購入に踏み切ることができます。

もし英語が得意ではないPS3ユーザーだった場合は以下の選択肢が。

  1. Xbox360を持っているならそちらを選ぶ。
  2. PCのスペック等を満たしているならそちらを選ぶ(Steam等。日本語対応か不明)。
  3. PS3の修正パッチを待つ(望み薄)。
  4. 諦める。

さあ、あなたはどれを選びますか?

2012/11/16 追記:
【朗報】「Dishonored」のフリーズ多発の不具合を修正するパッチが、19日配信!

いよいよ配信。レビューを修正するかもしれません。

総括

スチームパンクな世界観、魅力的なシステムや自由度。豊富な変化に富んだ各ミッションはリプレイ性に富み、プレイの仕方によっては一人も殺さず、一人にもバレずにクリアも可能とチャレンジのしがいのある設計になっています。

内容としては人を選ぶもののかなりオススメな部類なのですが、すぐ上で述べたフリーズが致命的。

ろくにクリアまで遊べないとなると”作品”としては評価できても”商品”としては一切評価できません。まともにプレイできないゲームは円盤型のゴミでしょう。

Skyrimも徐々によくなってきたもののバグが多かったですし、Falloutの近作もかなりバギーで品質はひどかったかと。そんなBethesda制作の本作も同じ運命を辿るのはもはや必然か。

そんなわけで、PS3版を除いたハードで発売されている本作はオススメできますが、PS3版は現状購入してはならないかと思います。
※2012/10/15 の発表で、Bethesdaは本件を認知し、
既に修正パッチ作成に着手したとあります。

なお、私は未クリアの状態で当記事を執筆しています。その時点でお察しですが、逆に言えば早々に投げたにも関わらず、これまで書いてきたような素晴らしい体験も味わえたことになります。ほんと、作品としてはいいんですけどね……。

Dishonored


書いた人はこんな人

壬生狼

壬生狼(みぶろ)と申します。 miburo666/ルプス(Lupus)は概ね同一人物。 ゲーム、音楽、映画/アニメ、イラストなどが趣味。 ここでは音楽や映画/アニメを中心に、趣味関連の記事を書いていきます。

記載されている会社名・製品名・システム名などは、各社の商標、または登録商標です。
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