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「SOUL SACRIFICE」 レビュー

めちゃくちゃ遊べる体験版も話題となった、魔法共闘アクション。

生贄か、救済かの二択を常に迫られる新たなマルチプレイアクションの形を実現した作品で、平均的に高い水準でまとまった作品です。

シナリオやデザイン、一部の仕様や難易度は人を選びますが、ダークファンタジーが好きな人や荒涼殺伐としたマルチプレイに魅力を感じれば手にとって間違いのない作品です。

 icon-smile-o ここがイイ!

  • 素晴らしい世界観を、陰鬱な雰囲気の視覚と悲壮感漂う楽曲が見事に構築しています。
  • 味方を生贄(犠牲)にしてでも勝利を勝ち取るという、一風変わった構想がほどよいスパイスに。 世界観を見事にゲームデザインに組み込んでいます。
  • この手のゲームにしては珍しく、かなり読ませるシナリオ。 設定や背景も深く、読めば読むほど味が出てきて、はまり込めます。
  • 本のリブロムは見た目こそ不気味で、その上口が悪いですが、色々と憎めないキャラです。
  • 面倒な移動の類は極力なくし、戦闘を主眼においたステージ設計。

 icon-meh-o 微妙・惜しい

  • 一人でも楽しめるものの、本作の持つ魅力やポテンシャルは5割ほどしか引き出せない印象。 マルチプレイ前提です。
  • キャラ、供物(魔法)を強化しても、強くなったかどうか・どの程度強くなったかが直感的には伝わってこない。
  • 日本語音声はキャラクターの雰囲気や世界観にマッチしていないものも。

 icon-frown-o ここがダメ!

  • マップでのハマりが多すぎる。
  • 一部、やや理不尽感の強いモーションを持つ敵が存在。
  • AIは概しておバカ。
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ダークファンタジーファンを魅了する、救いのない世界観

生贄や代償などという物騒な単語が飛び交う本作は、どこまで行っても救いが無さそうな閉塞感溢れる世界です。

遅かれ早かれ魔物になってしまう可能性が高いという魔法使い。 主人公もこの魔法使い(の記憶を追想する)時点でお察しなわけですが、予想に漏れず陰鬱で暗い物語が進行していきます。

これは単に主人公サイドが苦難に見舞われ続けるということではなく、魔物の方にもエピソードがあるということから、常に何かしらの葛藤や良心の呵責(かしゃく)にさいなまれ続けるという点でヘヴィな物語となっています。

ストーリーを追っているだけでも中々にエグい展開が待ち受けていますが、魔物の情報や地方の詳細を読むと更に深みにハマることができます。 いずれも欲求の暴走が魔物化を招いているのですが、読み込むと感情移入してしまい、戦闘中に現れる彼らの心の叫びがより痛切に感じられるようになります。

ストーリー自体も先が非常に気になる構成であり、この後どうなるのか・いかにして現在につながるのか、という気持ちをうまい具合に駆り立ててくれます。

サブストーリーもメッセージ性が強いものがあるので、かなりディープにSOUL SACRIFICEという世界を堪能出来ますよ。

読み物として楽しむ分には最高の世界ですが、少なくとも私はこの世界へ行きたいとは思えませんね……ww

世界観をうまくゲームシステムに反映している

生贄・代償・救済の3つは本作の物語でも重要な単語であります。 そして、ゲームプレイにおいても深く関わってくる要素でもあります。

事前情報や体験版でも公開されているとおり、全ての敵は生贄に捧げるか救済するかを選ぶことができます。 ここでの選択は、キャラクターの成長や物語の分岐にまで様々に影響を及ぼすのです。

魔法使いの掟に従って生贄にするか、掟に反して救済するのか。

この辺りは実利も関係してきて悩みどころではありますが、それこそが、主人公らの抱える葛藤でもあったりして、こういうところでプレイヤーとシンクロさせているのはうまいですね。

また、生贄・救済は敵に対してのみ行うわけではないのも、既報の通り。 戦闘中に倒れた味方(NPC・他プレイヤーとも)に対しても生贄にするか、救済するかの二択を迫られます。

生贄に捧げれば強力な魔法を発動できる一方で、その戦闘中は二度と生き返ることがありません。 救済すればその味方に体力を半分譲渡して復活させることができますが、制約の厳しい本作ではリスクも高いです。

単純に蘇らせれば有利になるわけでもないというのがミソで、ここで、他者の意志を優先するか、自分の意志を優先するか……理をとるか義をとるかといった葛藤が生まれます。

これは今までのマルチプレイアクションゲームでは味わえなかった感覚があり、決断に悩むのも決断を下すのにもプレイヤーごとの性格が現れて面白いと思います。 まぁ、それが原因でギスギスする可能性もないではないですが、それすらも本作らしさと言えるのではないでしょうか。

代償に関しては禁術が該当するでしょう。

いわゆる必殺技で、戦闘中に一度しか発動できないかわりに絶大な効果を誇ります。 ただし、発動後は防御力が半減したり、体力が常に減り続けたり、視界が極端に狭くなったりと多大なデメリットが発生します。

しかもこれは消費アイテムの「リブロムの涙」を使って代償を消さない限り、それ以後もずっと残り続けるのです。 ハイリスクハイリターンということで、まさに最後の手段という位置づけがナイスですね。

世界観にマッチしていないシステム・なんだかよくわからないシステムが搭載されることもあるなか、本作の搭載システムは世界観と高い親和性を持っているのが魅力です。

ちょっと残念なところも

本作は難易度が中々高めです。 例えば、戦いは準備画面から始まっているといっても過言ではなく、有効な供物(魔法)を持って行かなければ、苦戦必至どころか無理ゲーになる可能性もあります。 一度下見をしたりするなどして、戦略的なカスタマイズが必要というのはやりごたえがあっていいです。

が。

その高めな難易度設計というのを差し引いても、これはどうかなぁ?と思う点があったので少し書きます。

理不尽感のある性能の攻撃……はどの作品でもあったりするので指摘だけしておきますが、それ以上に、マップでのハマりの方が致命的です。

魔物にはスライムというのがいるのですが、こいつ相手だと結構ハマりが発生します。 動きが鈍くてデカいのが、逆に脅威となっています。

もしスライムに壁際に押し込まれたら、諦めましょう。 まず、どうしようもありません。 マルチプレイ中なら他のプレイヤーにターゲットが移ればどうにかなるかもしれませんが、一人でプレイしている時ならまず助かりません。

足の脇を通りすぎようにも、見た目よりも大きめな当たり判定に邪魔されて通過できずにボコられて死に、蘇生を頼んでみても今度はNPCがその見えない壁に阻まれて延々走り続ける結果に……。

スライム自体めちゃくちゃなデザインの敵ではあるのですが、他の人型魔物でも同様な状況に陥る可能性は低くなく、周囲の状況も注意深く把握しておかないとハメ殺されるのでご注意を。

というか狭い洞窟にスライムを置くとかはさすがにウンザリしました(;´Д`)

狩りゲーとしてはどうなの?狩りゲーやったことないけど大丈夫かな?

狩りを変える!とかいうキャッチフレーズなどの理由から、他の狩りゲーとの比較がされがちな本作。 本作はその辺、どうなのよ?っと思う方もいるかもしれません。

が、ぶっちゃけ、比較することは無意味というか無理な気がします。 それは、モンハンとゴッドイーターを比較するよりもズレが大きすぎて比較するのが難しいという意味であります。

やってみればわかるんですが、ゲーム中の見た目などから受ける印象とは違って、いわゆる多くの狩りゲーとは感触が全然違うんですよ。 いわゆる、ハンティングアクションゲームというような印象が希薄なんですね。

そのあたりは共闘魔法アクションとかいう公称の方に印象は近いし、似て非なるものであるということがわかります。

そんなわけで本作にハンティングアクション的なノリやウマみを求めると、予想とは異なる場合があるのでご注意下さい。 というか、ひとまずモンハンとかゴッドイーターは忘れましょう。

っということなので、狩りゲーをやったことがなくても全く問題ないのが本作であります。 無論マルチプレイ主体のデザインなので、やりとりや連携、駆け引きなんかは慣れていく必要がありますが、普段ゲームをしているのであれば労せずついていけるはずです。

総括

満点!とは言えない感じではありますが、味わい深いシナリオと独特なノリと雰囲気のマルチプレイ、相当なボリュームなど強い魅力に満ちた作品となっています。

協力プレイではなく共闘プレイだ、というのは言葉のアヤでなく、まさにその通りの構想となっており、共通の目的のために時には味方を利用するというのも許容され、醍醐味とも言えるデザインなのです。

冒頭にも書いたように、こういうシステムやそもそもの世界観やデザインは人を選ぶかもしれません。 が、少し我慢してでもプレイしてみて欲しい、と言えるくらいにはハマれる要素が満載です。 体験版からまずは是非ともお試しあれ。

書いた人はこんな人

壬生狼

壬生狼(みぶろ)と申します。 miburo666/ルプス(Lupus)は概ね同一人物。 ゲーム、音楽、映画/アニメ、イラストなどが趣味。 ここでは音楽や映画/アニメを中心に、趣味関連の記事を書いていきます。


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