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「SOUL SACRIFICE DELTA」 レビュー

かなりの短期間で仕上がってきた魔法共闘アクションゲームの第二作目というかバージョンアップ作品というか。

前作の物語などはそのままに、新たな物語や結末、魔法、魔物、システムを盛り込んだ作品となっており、前作で感じたコンテンツ不足感をかなり払拭できたかと思います。

他方、ゲームバランス面では調整が極端すぎていたり、コンセプトがマッチしていないなどという問題もあり、完璧とはいえない出来ではあります。

 icon-smile-o ここがイイ!

  • 新規エピソード。 破綻もなく、今回もシナリオ・キャラともに楽しめるものに。
  • 追加楽曲。 雰囲気を壊さず、今回もかなりのクオリティ。
  • ボリュームの大幅増加。 作業感のあるコンテンツが多いものの、育成やカスタマイズの楽しさ・幅は確実に拡充。
  • 地味に味方AIが“ちょっぴり”賢くなった。

 icon-meh-o 微妙・惜しい

  • シナリオの内容や表現は最高なのだけれども、一部の表現に誤りや微妙な表現あり。 テキストも重要な部分なので、気をつけて欲しかった。

 icon-frown-o ここがダメ!

  • 前作と比較しての各種調整。 前作で猛威をふるった魔法が露骨に弱体化され(すぎて)、本作ではあまり使えない魔法に。 極端すぎる。
  • アリスの無限魔宮。 本作の戦闘コンセプトに反している上、製薬が厳しい割にリターンも達成感も少ない。
  • 相変わらずオンラインマルチで同行者を連れていけない。
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完全ではないが、ひとつの完成形

前作を包含する完全版タイプの作品は数多くありますが、本作は同じ皮をかぶった別物と言えるほどに改変・拡充されています。

魔物はより多彩な攻撃で立ちはだかり、その魔物を打ち払う魔法は更に多く・多様化し、彼らと出会う物語は深みを増しました。

前作ではカモだった魔物が非常に強力な進化を遂げていて、前作経験者であるほど驚かされることは必至。 そして同時に、前作で培われた戦法も見直ししなければならない制限・制約もあったりします。

しかし、だからといって単純に遊びにくくなっているわけではなく、アクションゲームとしての深みが増したといいますか、画一的な戦法では勝ちにくくなっている点において進化と言っても過言ではないです。

カスタマイズ幅もかなり広がっており、バランスの見直しによって、遠距離魔法一強だった前作からうってかわって、かなり近接魔法にテコ入れがされました。

これにより、より自分にあった、あるいは自分の目指したいプレイスタイルを反映しやすくなっていて、マルチプレイ時の役割分担というものが細分化されているかと思います。

不完全たらしめている要素は改善されるべき

さて、以上のように大幅な変更点を抱えているわけですが、変化はメリットのみをもたらすものではありません。

例えば、前作ではかなり強力であった投擲魔法・魔人召喚魔法・地獄ハメ。 これに関しては製作陣も把握していたようで、弱体化が図られました。

単に弱体化されたのであれば下方修正としてバランス調整のためと割り切れるのですが、本作で行われたそれはやり過ぎています。

投擲魔法は弱体化のみならず、人型魔物の回転攻撃で弾かれるようになり、近接攻撃で狙いにくい部位を狙うとしてもイマイチ使えない魔法に成り下がりました。

魔人召喚魔法は、人型魔物が頻繁に繰り出す咆哮で一発で撃破されるようになり、耐久度自体も低くなった印象。 全く頼りにならない存在になってしまいました。

そして地獄はあまりにも状態異常になりにくくなり、もはや死にシステムになっています。

確かに攻略法が偏ってしまって戦闘の多様性を欠いたり、あっという間にコンテンツ攻略されてしまっては問題です。 が、こういう露骨で安直な戦法潰しは、それそのものの存在意義を失わせるだけでなく、結果的には戦闘スタイルの制約にもつながってしまうのです。

モンスターハンターの露骨なスキ潰し、討鬼伝の安直な回転攻撃全鬼実装、ラグナロクオデッセイの多重状態異常、ゴッドイーターの大乱戦、フリーダムウォーズの頻発する即死攻撃など、安易でピーキーな難易度設定には閉口せざるを得ません。

また、追加実装された「アリスの無限魔宮」も褒められたものではありません。

供物回復手段が著しく制限され、出てくる人型魔物は完全ランダム、しかし進めど進めど(敵の強化以外の)変化がなく、報酬も苦労に見合うか微妙……という、なんともはやな内容。

特にソルサクシリーズは長期戦を繰り広げるデザインではなく、どちらかと言うと勝敗がスピード決着されるものであり、どうあがいても継戦能力は低めになってしまう以上、こうしたサバイバルモードとは相性が悪いはずです。

それを、特に練り込むわけでもなく、アイデアを出すだけだして採用したかのような本実装は決して好意的に受け止められるものではありません。 バランス自体もソロ・2人プレイは無視したような塩梅ですし。

そして最後に、テキストでの不満点。 全体的に良好なクオリティと方向性なのですが、細部で推敲が甘い印象を受けました。

例えば、ある重要キャラが追加シナリオで「○○が呼んでる」というセリフを口にしますが、本作の中世風ダークファンタジーという世界設定を鑑みると「○○が呼んで“い”る」とするべきではないでしょうか。

「呼んでる」はどちらかというと口語的かつ近代以降の印象を受けますし、発言者のキャラともマッチしません。 尤も、音声の方はしっかりと「呼んでいる」と発声しているので、単なる誤植なのでしょうけれども……だとしたらなおさらチェックが甘いのではと。

もうひとつ挙げるとすれば、「耳ざわり」の用法。 作中では完全に「耳あたり(の良い)」という使い方をされていますが、完全な誤用です。

「耳ざわり」は「耳障り」と書き、読んで字の如く不快・不愉快な音・言葉という意味なのであって、「耳触り」と書いて耳に届いた感触やそこから感じた印象を指すものではないのです。

最近では「耳触り」も時代の流れとして広まりつつあるようなのですが、せめて、こうした雰囲気や世界設定を重視して、なおかつテキストの重要度の高い作品ではこのような誤用は避けて欲しかったところです。

こうしてみると、やはり短期間での制作というところでのチェックや練り込みの不足などが引き金となっていそうなものばかりです。 確かに前作よりは遊びごたえは増したものの、完成度が優っているかどうかはトータルで見ると微妙なところです。

総括

魅力的なキャラ・世界設定・楽曲などに支えられて、私のお気に入りのひとつでもある本シリーズ。

しかし諸手を上げて絶賛できないのも事実であり、それは不満点の項目で挙げた部分が内容的・体質的に「それってどうなの?その程度なの?」と感じなくもないからであります。

せっかく土台や素材はいいもので構築されているのに、それをうまく料理できていない、もしかしたら手を抜いている……と思われても仕方のない部分も見え隠れしており、そこに気がついた時、落胆の色は隠せませんでした。

完全新規プレイヤーにとっては、メインストーリー部分は良作となりうるでしょうし、マルチプレイもまぁ新鮮に映ることでしょう。 経験者にとっても、追加された部分などで新鮮味もあるだろうかと。

しかしながら、それは新たな名作に立ち会えることを意味するものではなく、欠点も多く感じられるものになるでしょう。 いいところも多ければ、悪い所も多いのですから。

次回作に求められているのは、ライバルの某狩りゲーに先んじて高速リリースすることよりも、時間をかけて練りに練って醸成されたバランス、システムです。

……と色々と辛辣に書いてきましたが、私は好きな作品です。 メイン・サブシナリオ部分はプレイして損のしない内容となっていますので。 あと、ニミュエ・マーリン・レッドフードがいいキャラをしているので。

SOUL SACRIFICE DELTA | プレイステーション® オフィシャルサイト

書いた人はこんな人

壬生狼
壬生狼(みぶろ)と申します。 miburo666/ルプス(Lupus)は概ね同一人物。 ゲーム、音楽、映画/アニメ、イラストなどが趣味。 ここでは音楽や映画/アニメを中心に、趣味関連の記事を書いていきます。
記載されている会社名・製品名・システム名などは、各社の商標、または登録商標です。
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『「SOUL SACRIFICE DELTA」 レビュー』へのコメント

  1. 名前:匿名 投稿日:2014/09/16(火) 08:32:25 ID:8d559a542

    ちょっとクレーマー臭いです

  2. 名前:匿名 投稿日:2014/09/17(水) 01:08:10 ID:3f24ffa37

    このゲーム買う上で参考にさせていただきます