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「ボーン・レガシー (原題:The Bourne Legacy)」 レビュー

主役をマット・デイモン演じるジェイソン・ボーンから、ジェレミー・レナー演じるアーロン・クロスに移してのボーンシリーズ第四弾。

ボーン・アルティメイタムの物語と同じ頃を舞台にし、作戦内容の消去として殺されかけたアーロンと、銃乱射事件を生き延びた科学者とが出会い、協力しあって迫り来るCIAの追手から逃げ延びるというもの。

小説原作ではなく、スピンオフ的に新規作成した脚本をもとに作られたせいか、全体的にイマイチな印象。 後付け設定も多く、緊張感も薄い印象です。

前作までのファンはもちろん、新規ファンの獲得にもつながらないであろう内容なので、オススメしかねる作品です。 駄作ではないけど、凡作どまり。

 icon-smile-o ここがイイ!

  • ジェイソン・ボーンとは異なる格闘戦の印象。 新鮮味があります。
  • 導入部の水中シーンなど、ちょっとしたファンへの気配りも。

 icon-meh-o 微妙・惜しい

  • 後付け設定の多さと、それらをあまり生かしきれていないシナリオ。
  • 緊張感なども前作までとくらべて減退傾向に。
  • ボーン○○ってタイトルじゃなくてもいいような内容。

 icon-frown-o ここがダメ!

  • シーンのカット、移り変わり、つなぎなどが全体的にダメ。
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企画からしてグダグダだったのやも

監督の降板、それを受けてのマット・デイモンの辞退などがあった本作ですが、そういった経緯もあって原作にはないオリジナルストーリーで展開していきます。

そのオリジナル部分がちょっとマズくて、全世界でズッコけたのも「むべなるかな」といった印象。

原作の大筋で登場するのかは不明ですが、本作ではいきなり謎の薬品だとか、トレッドストーンやブラックブライアどころか「アウトカム」「ラークス」といった作戦まで登場。

そりゃ、CIAの規模を考えれば色んな作戦が同時進行され、それこそトレッドストーンもブラックブライアも“氷山の一角”であったことでしょうが、本作を通して見てみるとそうしたスケールの大きさよりも、風呂敷を広げっぱなしにするだけして内容はペラッペラというか投げっぱなしな印象すらもあります。

その証拠に、例の薬も2つの作戦もそこまで掘り下げられることなく、適当な所でお役御免というかそんな感じですし。

そもそも、前作まではあり得そうなギリギリのラインでリアリティを保っていた世界観・設定を、本作でいきなりよくわからん薬とか、感情を持たない最強の暗殺者(でもかなり弱い)とか、変な所でアンリアルなSF要素も入ってきたことでB級臭さが強くなってしまっています。

エンディングのアレも、前作でやっと一息つけるかと思えたばかりなのに、また色々とこじれさせて「もう一度映画作るぜ!」みたいな思惑も透けて見えまして、なんだかあまり先に期待が持てない感じが残念でなりません。

改めて、ボーンシリーズというよりスピンオフとして「クロス・アイデンティティ」とか「オペレーション・アウトカム」とかそんな感じでも良かったんじゃないですかね、とそんな印象です。

なおシーンのつなぎ方も洗練されていない印象を受けます。 意図がよくわからないつなぎだったり、物語の理解を阻害する移り変わりだったりと。

アクションは新鮮かな

ジェイソン・ボーンの格闘術は無駄がなく合理的・効率的でスマートでしたが、アーロン・クロスの戦い方は粗野というか荒削りな印象を受けます。

これがちょうどよいアクセントになっていまして、ふたりのキャラクター性の差別化にもつながっていていいと思います。

ただ惜しむらくは、後半に追ってくるラークス作戦で生み出された「最強の暗殺者」との格闘シーンがないこと。 しかも(悪い意味で)あっと驚く形で決着が付くのですから、最大の見せ場もあったもんじゃありません。 一度くらいはアーロンとの格闘戦を見せて欲しかったもんですが。

総括

アクションとしては凡作、ボーンシリーズとしては微妙な作品といったところでしょうか。

内容的には旧作ファンにそっぽを向かれかねず、新規ファンには用語や人名がチンプンカンプンで入り込めないという、実写「ひぐらしのなく頃に」のような様相を呈しています(幸い、アレほどひどくないですが)。

また、続編を作る上でアーロンもしくはボーンに差し向ける刺客がいなくなってしまいそうな展開だったわけですが、そのあたりはどうするんでしょうかね。 また、ナントカ作戦を作るのでしょうか。

せめて、ボーン・アルティメイタムの物語の内容を深めるモノであればよかったんですが、この内容ならボーンシリーズのナンバリングに加える必要なかったよね?というところです。

※ただし、当初はマット・デイモンを起用したかったらしいし、以降の作品で復帰する可能性がゼロではないということを言っているため、ボーンシリーズに加えたのかも。

ジェレミー・レナーや、本作のヒロインであるマルタを演じたレイチェル・ワイズ、国家調査研究所の大物を演じたエドワード・ノートンなどなどいいところどりではあります。

可能性を広げるべくだったのでしょうが、誤った方向へ舵取りをした結果悪い意味でなんとも先の見えない展開になってきてしまいましたが、果たして立ち直ることは出来るのでしょうか。

割と辛いレビューになってしまいましたが、細かいところを気にしなければそこそこ楽しめると思います。 ただし、初見さんお断りな内容には違いありません。

書いた人はこんな人

壬生狼
壬生狼(みぶろ)と申します。 miburo666/ルプス(Lupus)は概ね同一人物。 ゲーム、音楽、映画/アニメ、イラストなどが趣味。 ここでは音楽や映画/アニメを中心に、趣味関連の記事を書いていきます。
記載されている会社名・製品名・システム名などは、各社の商標、または登録商標です。
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