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【3DS】売り切れのある3DSのDL版ゲームについて考えてみた

現行のゲーム機には多くの画期的な機能がついていますが、そのうちのひとつが、インターネットを利用した「コンテンツのダウンロード」でしょう。既存のゲームを拡張したり、ゲームそのものをダウンロードできたりして、利便性と選択肢が飛躍的に増えました。

そんなダウンロードに関して、3DSにはちょっと変わったダウンロード版(以下DL版)の販売方法があるのです。その辺りに少し触れてみます。

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DL版なのに売り切れがある!?

DL版のメリットのひとつとして「売り切れの心配がない」というものがあります。チケット等を購入してチャージする場合、そのチケットが売り切れるということはまれにあるかもしれませんが、事実上、売り切れはありません。

しかし、3DSのDL版には売り切れが存在するのです。……正しくは、「売り切れのあるDL版も存在する」でしょうか。

どうしてこういう状況になるのか?といいますと、販売形態の違いに原因があります。

通常のDL版は、Steamなどでしたらクレジットカード等で支払いをした後にゲームデータをDLします。PSNやXbox Liveでは、それぞれのサービスのポイントをチケットを購入し、そのポイントでコンテンツと引き換える必要があります(カード払いも可)。

ところが、3DSの「売り切れのあるDL版」は、店頭にプリペイドカード形式として売られているのです。つまり、そのカードが完売したらイコール売り切れです。

なお、3DSにもニンテンドーeショップというものがあり、こちらは先のPSNやXbox Liveと同じような機構ですので、こちらでDL版を購入するにあたっては売り切れの心配はありません。

ともあれこういう理由で3DSのDL版には売り切れる可能性があるのです。ゲームのフラッシュメモリを本体に挿入するか、カードに記載されたコードを入力してダウンロードするかだけの違いです。

では何故、このような販売形式にしたのでしょうか?

収益の安定化が目的?

ほとんど推測の話になってしまいますが、こういう理由があるのではないかと思います。

ゲームの製作には非常に時間もお金もかかるものであることが多いです。ですから、収益を早急に、確実に上げないと経営に響くわけです。まぁ、ゲームにかぎらずですけれども。

そこのところで見てみると、旧来のパッケージ版は非常に安心なのです。というのも、パッケージ版で売り上げが確定するのは、小売店から発注が来て出荷するとき。そう、出荷時には既に収益を回収できるのです。

その後売れようが売れまいが、少なくとも、この収益分に関しては無関係なのです。いや~安心安心。

一方のDL版はどうでしょうか。こちらの方は売れなきゃ売り上げになりません。当たり前のようですが、この差は大きいです。どれだけ、どのくらいの期間売れるか予想が困難で、まとまった収益として上がっても来ないこともあります。こりゃ不安でたまりません。

このDL版の不安要素をなんとかできないか?と、模索して生まれたのが――3DSの売り切れのあるDL版なのではないかと思うのです。

プリペイド形式のものであれば小売店等から発注が来るわけですから、パッケージ版と同様な収益スタイルで運用が可能です。メーカーとしてのデメリットを多く減じることに成功したのです。

しかし半面、DL版のメリットであった「売り切れ」という部分を切り捨てることになってしまいました。ゆえに、まだまだ模索する必要のある分野でもあります。

改めてパッケージ版とDL版、売り切れのあるDL版の特徴をまとめてみます

ではここで、思いつく限りのそれぞれのメリット・デメリットという面から特徴を探ります。

まずはパッケージ版から。

パッケージ版のメリット

  • 所有しているという実感が湧く。ファンにとってはコレクターズアイテム的な側面も(ユーザー目線)。
  • 何かしらの購入特典が付属する場合もある(ユーザー目線)。
  • 容量を圧迫しない。消費するのはセーブデータや拡張データ、修正データくらいなもの(ユーザー目線)。
  • 中古での売買ができる(ユーザー目線)。
  • 収益の予測がしやすく、安心(メーカー目線)。

パッケージ版のデメリット

  • 紛失・破損の可能性がある(ユーザー目線)。
  • 売り切れたり、生産終了するなどして入手が困難になることも(ユーザー目線)。
  • 遊びたいゲームを切り替えるときに、メディアを入れ替えるのが面倒くさい(ユーザー目線)。
  • 中古での取引がされてしまう可能性がある(メーカー目線)。
  • DL版に比べ、メディアやパッケージなどのコストが余分に必要(メーカー目線)。

DL版はおよそ真逆の性質があるといってもいいでしょう。

DL版のメリット

  • ハードウェアごと紛失・破損しない限り、紛失・破損の可能性がない。また、ゲームデータが壊れても、再DLが可能(ユーザー目線)。
  • 売り切れる可能性がない(配信停止・終了はあり得る)(ユーザー目線)。
  • 遊びたいゲームを切り替えるときに、メディアの入れ替えが不要(ユーザー目線)。
  • 店頭に並んだりしなくていい(ユーザー目線)。
  • 中古に売られてしまう可能性がまずない(メーカー目線)。
  • メディアやパッケージ等の製造コスト軽減(メーカー目線)。

DL版のデメリット

  • データのみなので、所有しているという実感が希薄。ただし、徐々にその意識も変わりつつある?(ユーザー目線)
  • ゲームデータをDLするので、容量を圧迫する(ユーザー目線)。
  • 中古での売買ができない(ユーザー目線)。
  • 売り切れなどの心配は無いが、人気タイトルの場合、アクセスが集中して思うようにDL出来ない可能性も(ユーザー目線)。
  • 収益の予測が困難で不安定(メーカー目線)。

こんなところでしょうか。

では最後に3DSの売り切れのあるDL版はどうでしょうか。

3DSの売り切れのあるDL版のメリット

  • ハードウェアごと紛失・破損しない限り、紛失・破損の可能性がない。また、ゲームデータが壊れても、再DLが可能(ユーザー目線)。
  • 遊びたいゲームを切り替えるときに、メディアの入れ替えが不要(ユーザー目線)。
  • 中古に売られてしまう可能性がまずない(メーカー目線)。
  • 収益の予測がしやすく、安心(メーカー目線)。

3DSの売り切れのあるDL版のデメリット

  • 売り切れたり、生産終了するなどして入手が困難になることも(ユーザー目線)。
  • データのみなので、所有しているという実感が希薄。ただし、徐々にその意識も変わりつつある?(ユーザー目線)
  • ゲームデータをDLするので、容量を圧迫する(ユーザー目線)。
  • 中古での売買ができない(ユーザー目線)
  • 売り切れなどの心配は無いが、人気タイトルの場合、アクセスが集中して思うようにDL出来ない可能性も(ユーザー目線)。

こんな感じでしょうか。

こうして見ると、双方の重要度の高いデメリットを軽減しつつ、最大限メリットを確保出来ているようにも見えます。

ただ、どちらかといえば、メーカー側の恩恵の方が多い手法ではありますね。ユーザー側としては、やや中途半端でかゆいところに手が届かない仕様に感じられます。

おわりに

長々と書いてきましたが、以上が3DSの(売り切れのある)DL版に関する、特徴や存在意義なのだという考えに至りました。私は特にビジネスの達人でもない、単なる凡人ですし、ゲーム業界のことはサッパリわかりませんので、見当違いだったり足りない部分も多くあったかとは思いますが。

ただ、こうして見ると3DSの売り切れのあるDL版は、現状では未完成な側面が強いものの、これからのゲームというビジネスの新たな切り口になるのでは、とは思うわけです。

これから更に研究と技術が進んでいく中で、より双方の満足度は高く、不満度は低くなるような売買スタイルが確立されていく……ということの挑戦心にあふれたものです。

何度も言うように今の形式ではメーカー側には優位に働いているものの、ユーザー側にはイマイチな面が目立ちます。なので、どうすればユーザー側のデメリットを減じる・メリットを増すことが出来るかを突き詰めていって欲しいところです。

書いた人はこんな人

壬生狼
壬生狼(みぶろ)と申します。 miburo666/ルプス(Lupus)は概ね同一人物。 ゲーム、音楽、映画/アニメ、イラストなどが趣味。 ここでは音楽や映画/アニメを中心に、趣味関連の記事を書いていきます。
記載されている会社名・製品名・システム名などは、各社の商標、または登録商標です。
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『【3DS】売り切れのある3DSのDL版ゲームについて考えてみた』へのコメント

  1. 名前:まるお 投稿日:2013/01/26(土) 15:26:41 ID:5bcba2d9f

    なるほどなるほど~
    売り切れのあるDL版商法は売り上げの安定化が目的でしたかw

    ただこれやるくらいならDL版は切り捨てて、その分パッケ版売った方がいいと思うのは私だけでしょうか?w
    言わば購入後カートリッジがあるかないかだけの違いだけですよね、これ(´・ω・`)

    DL版のメリットがほぼ無視されたDL版なので、どうせ店頭に足を運ぶならパッケ版を買う人のが多そうなものだがw
    あと確かアカウント制じゃないから引っ越ししない限り別の本体で遊べないんじゃなかったかな?

    まぁ複数の本体で遊ぶって状況もあまりないだろうけど、記載されているとおり、もう少しユーザー側にメリットのあるようなDL版というものを考えてほしいですねえ(´・ω・`)

    【補足】
    記載されているとおり、DL版はパッケージ等のコスト削減の他に、製品を発送する際の手数料とかもあるので、ソフト一本当たりの利益率自体は断然DL版の方が高い模様。

    • 名前:壬生狼 投稿日:2013/01/26(土) 15:54:31 ID:2662197b7

      推測に基づいたものなので、確たるものとは言えませんが、まぁ、こんなところが妥当な線ではないかと思っております。

      感想はもっともで、”今のところは”ベストどころかベターな手法じゃないとは思う。まだ発展途上というか、手探りの状態に感じられます。
      色々書いてきたけど、この売り切れのあるDL版はメディア入れ替えがおっくうな人向け、と断じてもいいかもしれないww
      ※複数本体でプレイする方法に関しては盲点でしたので、なんとも言えませぬ……。そういった保護施策はあってしかるべきでしょうね。

      現状ではちょっといただけないけど、これまでの収益スタイル・モデル以外の道を探るというのは、個人的には応援したいところです。選択肢は(ある程度は)多い方がいいし、なんてったって面白そうだし!
      上には書いていないけど、もうひとつ、3DSの売り切れのあるDL版のメリットとして、「あまりにも中途半端で微妙な販売方法だからこそ、あまり売れず、買い求めやすい」というのも追加でww 私もそうして、どうぶつの森を買えましたゆえ。

      そして、補足ありがとうございます!

      全くそのとおりですね。利益率はDL版に軍配が上がります……が、やはり不安定さが最大のネックなので、DL版一本勝負に出にくい(パッケージ版を併売したくなる)のでしょうなぁ。さっさと資金回収して安心したいでしょうし。
      元々低コストで規模の小さい作品(数百~千円前後で売られているようなのとか)であれば、DL版のみの販売でも問題ないでしょうけど、超大作とかシリーズものとかは現状ではDL版一本勝負は怖いでしょうね。

  2. 名前:アスラン 投稿日:2016/11/23(水) 12:50:56 ID:e3780c954

    収益の安定化というのはいかがでしょうか。
    まず、出荷時にすでに利益が確定する。とありますが
    出荷=生産ではありません。
    発売時にはメーカーは必ず余剰在庫を倉庫に蓄えて、追加の出荷に備えます。
    つまり生産>>出荷となればメーカーは損することになります。
    逆にダウンロード版は生産という工程が必要なく、価格の中に小売の取り分もなく
    メーカーが総取りすることができます。
    よって流通時にメーカー側で問題になるのはダウンロード用のサーバの維持費ということになります。
    しかしサーバ自体はプレスしてしまったソフトと違っていくらでもつぶしが利くので
    むしろ、ダウンロード版の方が安定するのではないかと考えてしまいます。

    • 名前:壬生狼 投稿日:2016/11/23(水) 20:27:47 ID:f777efcaa

      おお、より事情にお詳しそうなコメントをありがとうございます!
      ふむふむ……おっしゃる通りのような気がします。
      記事にも書いた中古対策にもなりますし、そういう意味でも利益は大きそうですね。

      もっとも、体感のお話ですが……この記事を書いた当時(2013年)の頃よりは、
      中小メーカーもDL版の発売・配信に意欲的になってきている印象です。
      その背景には、アスランさんのおっしゃるような事情があるのでしょうね。
      (そして、業界内でDL版のメリットが認知・浸透してきているのかも)

      購入側としての気持ちの上での難易度も下がってきているようですし、
      少しでもメーカーが安定して潤えばいいのですが。