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「討鬼伝 極」 レビュー

コーエーテクモゲームスが1年前に発売した「討鬼伝」に、追加要素どころじゃないボリュームのあれこれを加味して発売した猛将伝……というか完全版。

更にマルチプレイが楽しくなる新要素・新戦術や新鬼、新難易度のほか、ストーリー部分も増量。 楽しさもボリュームも膨大になった一方で、褒められない部分もまだまだ残り、名作手前の良作止まりといったところ。

しかしながら、不作続きな直近の狩りゲー群の中では最も楽しめる作品でもあります。

※2014/09/28、大型アップデートを受けてレビュー若干追記・修正。

 icon-smile-o ここがイイ!

  • とにかく膨大なボリューム。 飽きが来ないかは別にして、とことんやろうとすると数百時間コース。
  • ストーリー追加分の出来もそこそこ良好。 無印部分はベタながらも狩りゲーとしてはかなり楽しめるかと。
  • 追加曲も概ねよし。
  • 新武器もかぶることなく新たなプレイスタイルを提供できている。
  • 基本を抑えたマルチプレイは、やはり楽しい。 鬼千切 極の実装により、連携をとるべき場面も増えたのは○。 決まれば爽快!
  • 大小様々な前作での不満点をそれなりに多く改善しており、ユーザーの声が継続的に取り入れられていたのであろうことが伺え、多少好印象。
  • 天狐の出番大幅増。 ストーリーにも少し関わってきます。
  • 装備デザインが平均的にマシになった感。
  • 稼ぎ用モードの無限討伐任務がいい塩梅。

 icon-meh-o 微妙・惜しい

  • 追加部分のシナリオに関し、旧キャラが少し引っ込みすぎ。 速鳥はネタキャラというか天狐スキーでしかなく、息吹の存在感が1割減。
  • 確定ではないものの、若干テクスチャが無印版に比べて劣化したような?
  • 未検証ながら、メインストーリーの難易度曲線がアレなことになっている恐れ。 具体的には無印部分(7章)と追加分(8章以降)の温度差に開きがありすぎる印象。 →アップデートで緩和された可能性。

 icon-frown-o ここがダメ!

  • 再び、鬼の耐久度が無駄に高くなっている印象。 特にストーリーでの鬼耐久度は高すぎでダレる。 1~2割ほど減らしてちょうどいいくらい。 →アップデートで改善済み。 だいぶ柔らかくなり、問題となるほどの固さはなくなった。
  • ごく一部に良調整により適切な強化・最適化がされた鬼がいる反面、露骨な隙潰しが見える鬼や余計ウザくなった鬼が多数。 全体的に初心者には優しくない可能性。
  • ストーリー追加部分の任務は面倒臭いもの多し。 また、無印プレイヤーでもキツいシチュエーションも増加。
  • 結局本作もラスボスはクソ鬼。
  • 新鬼のほとんどが気絶をほぼ必ず起こす攻撃を持っていて、気絶無効化がほぼ必須なバランス。 また、行動もウザったいのが多く、戦っていて楽しくないものまで。
  • 一貫性が感じられなくなりつつある、鬼のモーション類。
  • 相変わらず「やたらに回転攻撃」「やたらにタフ」「やたらに当たり判定」「やたらに痛い」という“やたら”な鬼のデザイン。 姿は違っても、こういうダメな共通項が多すぎる。
  • 鬼千切 極の当たり判定が不適切。 狙った部位・どう見ても当たっている部位に当たらないこと多々。
  • 全体的に新規プレイヤーのことを考えていない仕様・調整が多すぎる。
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無印を遊びつくしていても、相当遊べる

ストーリーが前作と同等のボリュームがあるという触れ込みを差し置いても、新鬼・新装備・新ミタマ・新難易度の追加のほか、これまでの武器種や鬼にも変更などが行われていて新鮮味がありますし、相当遊べるデザインとなっております。

特に大きくプレイフィールを変更させるものとしては新武器と新ミタマがあります。

武器としては、手数重視で複数部位攻撃ができる薙刀、一撃重視で手甲以上の火力武器の金砕棒、霊脈という弱点を撃ちぬいたり手榴弾のようなものでオプション攻撃もできる銃が追加。

ミタマは、能力上昇サポートやダメージ頭割りなどというサポート特化の「献」、部位破壊に特化したその名もズバリの「壊」が追加されています。

これまでさんざん遊びつくしてきた人でも、例えば、金砕棒と壊のミタマ構成での高火力・サクサク部位破壊なプレイフィールは非常に新鮮でなおかつ気持ちのよいものになるかと思います。

その他にも太刀の残心の有用性大幅向上(むしろ、これのために新鬼のウザいモーション郡があると思ってしまう)などもあり、馴染みの武器にも多少の新要素があるので、何かの武器一筋な方もある程度は安心です。

新難易度に関しては鬼の火力増加と耐久度微増?に加え、申し訳程度に各1モーションくらい追加された程度に収まっていますが、まぁ、無印の最高難易度でも物足りない人にはいいのかもしれません。

一方で、新規には厳しいかも

無印プレイヤーには嬉しい要素が多々あるわけですが、完全新規のプレイヤーには厳しい部分もありそうです。

例えば、旧鬼の調整。 最弱争いでは首位のミフチですが、こいつに技の出が早く威力もそこそこな半回転範囲攻撃が追加されているのですが。 これが、下位でも放ってくるのはどうなのと。

ただでさえ回転攻撃があるというのに、更に回転攻撃を加えるというのもウンザリですが、最大の問題は「ソロでミフチを倒す任務がある」ということ。

そもそも無印でも序盤の難関だった任務が、またハードルが上がっているわけです。 DLCミタマや、初回特典やDLCのなりきり装束によって序盤が割とヌルゲー化(これはこれで問題だけど)しているとはいえ、その有用性に気づかなかった場合脱落者がかなり出そうだなと。

その他の部分でも、無印部分をクリアしたその勢いのままに追加部分の新章に突入すると、かなりの確率で詰まる気がします。

もちろん装備の充実や腕を磨くということは、どの過程でも必要だとは思いますが、この部分の難易度曲線は急すぎるのではないかと思いました。

更に、新章では面倒くさい・キツい任務が目白押しで、私自身相当苦戦したり、うんざりしたり、攻略が腰が重かったりして攻略に前向きになりませんでした。

そんなこんなで、新規プレイヤーにはあまり優しくないのではないか、と感じた次第です。

鬼のデザインはまだまだダメな所も多い

本作における討伐対象である鬼ですが、こちらも悪い点が目立ちます。

例えば耐久度。 これは、本作が表層耐久度と本体耐久度の2つの耐久度を持っていることに起因していますが、とにかく時間がかかる印象がつきまとうことです。

基本的に表層耐久度をゼロにしてマガツヒ状態にし、本体耐久度を減らすか、部位破壊して本体部分を露出させ、本体耐久度を減らすことで鬼を追い詰めていくのですが。

一箇所だけ部位破壊して、以後そこを集中攻撃したのと、全部位破壊してから本体耐久度を削るのでは大きくプレイ時間に差が出ます。 まぁ、それも当然といえば当然なのですが、後者のほうだとやたらに時間がかかりがちなのがいただけないです。

慣れれば全部位破壊してからでもサクッと倒せるんですが、それは「慣れているから」できることであり、はじめたばかりのプレイヤーはできなくて当然です。 となると、後者どころか前者でさえも一度の戦いは長期化し、ダレてしまうのです。

というか。

効率的に本体耐久度を削るプレイにしたところで、結構時間がかかるんです、このゲーム。 それは、無駄に表層・本体いずれの耐久度も高めであることと、モーションのアレな部分が原因となっています。

モーション部分では、やたら動きまわったり、やたら回転攻撃をして近づけなかったり、ダメージ設定がおかしかったりしてプレイヤーを苦しめます。

やたら動きまわることは、攻撃の機会を与えてくれない=耐久力削れない=プレイ時間の長大化になり、ダレる状態を招きます。 いったりきたりしまくるカゼキリ、二代目空の王者のイミハヤヒがアレ。

イミハヤヒに関しては、太刀の残心やらなんやらで叩き落とせればいいのですが、しかしそれにしたって飛び過ぎです。 対抗策がある場合ははたき落として殴るだけの作業、対抗策がない場合は延々飛び回られ追いかけ回す苦痛な追いかけっこ。

製作陣はなにやらこだわりがあって体験版のイミハヤヒに対する意見を取り入れなかったようですが、プレイヤーにはそのこだわりと味は伝わってこず、ストレスフルなだけでした。 視点や感覚のズレですね。

やたら回転攻撃は無印からの伝統で、ほぼ全ての鬼がなにかしら一回転全方位攻撃を持っています。 そう、一番最初に戦う大型鬼のミフチですら。

しかも頻度はどの攻撃もイーブン設定なのか、運が悪いとずっとグルグル回転している鬼もいたりして、手出しできない状況になったりもします。 どの鬼も特徴はあっても、どうにも強さの方向が画一的で芸がないと感じるのはこういったところにあります。

おまけにミフチに関しては半回転攻撃が加わって更に回転するようになり、もう乾いた笑いしか出てきません。

ダメージ設定がおかしいのも伝統です。

たかだか少し“よじった”腹の動きで中~大ダメージ(ヤトノヌシなど)だとか、やたらに発生する(しかも追加されたものもある)当たり判定に加え、無駄に被弾するケースが増えており、理不尽感は前作以上。

やたらに当たり判定を増やしてストレスフルになったモンハンを反面教師にしてほしいものですが、このままだと二の舞いになるのは必然と言わざるをえない路線と化してきています。

一貫性も失われつつある

部位破壊をフィーチャーしている本作ですが、無印では戦略的要素の強いシステムでありました。

本作でも無印部分に関しては変わらずなのですが、新鬼に関しては戦略性は減退しているというアレ。

無印における部位破壊のメリットは、攻撃力の低下と、特殊効果の消滅でした。 特に後者の重要性は無視できず、例えば攻撃後に発生する属性攻撃を消滅させたりとかなり有意味なものだったのです。

ところが本作では、これが無意味な攻撃を持つ鬼が出てきているんです。 部位破壊しても属性範囲攻撃を撒き散らしたりとか。

攻撃力の低下は見られるものの、優位性は相対的に少なくなっており、部位破壊の意義が薄らいでいる感は否めません。

ただでさえ冗長なタコ殴りが長引きがちなデザインである上に、戦略性を損なってはプレイの緩急がより平坦になり、ダレる一方です。

密度や内容の濃いゲームプレイであれば多少長時間化しても没頭しダレることは少ないですが、変化や起伏に乏しくただ単にダラダラ時間がかかるだけのゲームプレイは受け入れがたいものです。

前述の耐久度や攻撃チャンスの喪失しかり、こうした戦略性の低下の片鱗しかり、「どうしたら戦闘を長引かせられるか」ではなく「どうしたら密度の高い戦闘を繰り広げてくれるだろうか」「どうしたら戦闘が長引いたとしてもダレることなく戦い抜いてくれるだろうか」という点を起点にしていただきたいものです。

総括 (追記あり)

過分に批判的な内容になりましたが、私個人としては好きな部類のゲームなんですよね。 文句言いながらもクリアして、まだまだ遊ぼうとしているあたり。

上に書いた内容は私の忌憚のない意見であり、次回では改善してほしいという陳情でもあります。

というのも、これだけマイナス点をあげつらっている作品でありながら、ここ最近遊んだ同型のハンティングアクション系ゲームの中では一番楽しく・面白く感じる作品だからです。

GE2はどうにも中途半端でしたし、ソルサクデルタは明後日の方向に向かってしまいノリきれずに終わり、フリーダムウォーズは誇大広告すぎて圧殺された凡作で、モンハン4は一時代の終焉を感じざるを得ないアレな出来でした。

これらの作品では成し遂げられず、討鬼伝 極で成し遂げられたのは、プレイ時間200時間超でありながらまだプレイする意欲が継続しているという点です。

もちろん、鬼との戦いが長期化する傾向のある本作では200時間の意義が少々特殊かもしれません。 しかし、それでも、3桁時間遊ぶということは不満しかなく、魅力に欠け、どうしようもないクソゲーであればありえないわけです。

確かに本作はまだまだ狩りゲーとして、アクションとして未熟で、不満点も多く、新規さんには不親切でしょう。

しかし、それでも、現在の狩りゲーシーンにおいては最も楽しくプレイできるタイトルであることもまた、疑いのない率直な意見なのです。

※2014/09/28追記:

大型アップデートにより、無駄に固すぎた感のある鬼の本体耐久度や部位の耐久度に下方修正が加えられ、ちょうどいい具合になりました。 また、当方は未確認ながら、高難易度のストーリー任務にも手が加えられ、難易度緩和がなされたとのこと。

その他の修正などもあり、グッと遊びやすさやバランスが改善され、不満点はだいぶ解消されたように思います。

ただ、未だに鬼千切 極の当たり判定は不適切であり、ストレスフルな鬼の挙動があるのも事実であり、これをして完璧とはまだ言えないですが……初稿時よりは確実に“楽しい”と感じるゲームになりました。

書いた人はこんな人

壬生狼
壬生狼(みぶろ)と申します。 miburo666/ルプス(Lupus)は概ね同一人物。 ゲーム、音楽、映画/アニメ、イラストなどが趣味。 ここでは音楽や映画/アニメを中心に、趣味関連の記事を書いていきます。
記載されている会社名・製品名・システム名などは、各社の商標、または登録商標です。
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『「討鬼伝 極」 レビュー』へのコメント

  1. 名前:まるお 投稿日:2014/09/17(水) 18:07:05 ID:98de6f7dd

    個人的には神ゲーだけど、やっぱ攻撃を当てさせてくれない鬼は勘弁してほしいですなぁ
    たまにならいいんだけどほとんどの時間浮いてるとか太刀ゲーor魂ミタマゲーですわ( ´・ω・`)

    鬼の体力に関してはストーリーのイテナミ初戦以外はまぁこれでもいいかなって思ってます。
    それよりも持久戦になったときの味方NPCの役立たず具合をどうにかしてほしいですね!

    NPCのタマフリが枯れて死にまくった挙げ句、最後はタイマンでしたわ・・・
    ボス2体でこれだったので4体とかどうなることやら(笑)

    あとは記述のとおり、旧キャラの影が薄くなったね!
    橘花とか終盤まで忘れてましたわー
    あと最後はホロウと千歳の話が濃すぎて、相馬とか凛音とか新キャラの影までもが薄くなった印象ですわー

    だけど私は討鬼伝続けるよ!

    • 名前:壬生狼 投稿日:2014/09/17(水) 18:25:30 ID:277de6fa6

      なんというか、調整というか仕様実装がやや極端ななんだよね。 このあたり、なんだかんだいって数作重ねてるモンハンは調整が絶妙だったりする……ノウハウの差なんだけども。

      体力云々はもしかしたらタマフリ枯渇した後のNPCの火力不足も大きく影響あるのかもしれない(≒実はほとんど体力変わってない説)。 凛音連れて行っても限界があるし、かといって自分が賭のミタマにするのもなぁ。

      キャラ描写はコエテクらしくないかなぁと。 旧キャラも造形・キャラ作り的にそれぞれにファンが多かったろうし、ファンとしては彼らのその後の活躍などにも期待していたはずだけども。

      なんかやたら富嶽だけいいとこ持っていってた気がするけど、それは相馬にポジション食われたせめてもの罪滅ぼしなのだろうか? だとしても私の桜花さんが蜘蛛嫌いネタとアイツを切り捨てる覚悟を示したくらいしか見せ場がなかった点に関し、訴訟は辞さない。

      上にも書いてるけど、文句は盛大にぶちまけつつも好きな作品なんだけどね。 ツンデレ乙。