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「討鬼伝」 レビュー

コーエーテクモゲームスが(特にコーエーの)強みである“和”を前面に押し出したハンティングアクションゲームを制作。 それが本作となります。

体験版に修正パッチを用意するなど、異例とも言える迅速サポートが注目を浴びましたが、心血を注いだだけあって完成度は処女作にして非常に高い!

ミタマシステムや、部位破壊を重視したデザインはこれまでのどの狩りゲーとも異なるプレイ感覚・爽快感を生み出しており、MH・GEと並ぶ第三勢力になり得る実力を発揮しています。

※PS Vita版のレビューとなります。

 icon-smile-o ここがイイ!

  • トータルで見て非常に高い完成度を誇っている。
  • かなりボリュームがあり、相当やりこめる。
  • 歯ごたえの強いバランス。 しかも部位破壊による爽快感もある。
  • 武器だけでなく、ミタマの選択でもプレイスタイルが大きく変わるシステム。
  • ロード時間の短さをはじめ、極力ストレスのないように配慮された全体的な快適性。
  • 魅力的なキャラクターと、彼らが織りなすストーリー。
  • PS Vitaの性能をいかんなく発揮した美麗グラフィック(PS Vita版)

 icon-meh-o 微妙・惜しい

  • 部位耐久度と生命力のバランスがまだ発展途上。 次回作では更に煮詰めてほしい。
  • ちょっと新装備登場のサイクルが早すぎかな? もう少しゆるやかな登場・変化でもいいかと。
  • BGMには良曲もあるものの、全体的に凡曲多し。
  • せっかくキャラとストーリーが立っているので、もう少しイベント・手紙・禊ぎセリフのバリエーションがあってもよかったかも。
  • 亜種的な個体や、上位での鬼にはもう少し特殊なモーションがあってもよかったかな。
  • やってやれないことはないとはいえ、難易度曲線は最適な形とはいえないような……。 顕著な例はダイマエンの登場タイミングとその異常な強さ。 (2013/07/13 追加)

 icon-frown-o ここがダメ!

  • やってみれば体系的にすんなりと理解できるとはいえ、バトルシステムは複雑に見えてしまう。 初心者などはここでためらっている可能性。
  • 仲間を呼ぶ/行かせるくらいの指示は欲しい。 狭いところで延々戦う場面もあったので。 (2013/07/13 追加)
  • 大型鬼の攻撃で、納得いかない威力・性能・当たり判定のものが割とある。 (2013/07/13 追加)
  • トコヨノオウのダッシュ攻撃は一応対策があるとはいえ、頻度・威力・発動時間を鑑みるとクソとしか言い様がない。 (2013/07/13 追加)
  • マルチプレイ時の鬼の生命力が最適化されていない。 2人・3人・4人いずれのプレイ時も生命力は同値と思われ、よって2人・3人でプレイするとプレイ中に眠くなるほど多い生命力に。 (2013/09/02 追加)
  • 以上に加えミタマ獲得などの各種運要素から、高難易度になるにつれてモチベーションの低下が著しく、ダレ・飽きが強くなってくる。 (2013/09/02 追加)
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これがコーエーテクモゲームスの本気!快適に楽しく遊べる逸品です

最初に配信されたアクション体験版をプレイした時、辛い評価を出さざるを得ませんでした。 あのまま出していたら、地雷ゲーだったのは間違いありません。

ところがどっこい! その後修正パッチをあてたりなんだりしてからプレイしてみると、どうでしょう。

ユーザーの声に真摯に向き合い、迅速に対応していただいた後の体験版では全くの別ゲーといっても過言ではないほどに快適になっており、「これなら買ってみてもいいな」と思わせるレベルになっていました。

そして購入後。 「買ってみてもいいな」から「買ってよかった、買うのをやめていたら後悔していたはずだ」とまで思える内容になっていました。

やはり全ての制約が取り払われてのプレイは、体験版の印象ともまた違うものでして。 新たな鬼との対決、素材集め、ミタマの選定。 それらをひと通り自由にできるようになると、もう、どっぷりとハマりこんでしまいました。

プレイ時間は引き継ぎ対応体験版込みで60時間を超えましたが、まだまだやることは山ほどあり、むしろこれからが本番とさえ思います。

MH4やGE2までのつなぎ? とんでもない! 本作だけで軽く100時間以上は遊べる内容とボリュームになっていますよ。

部位破壊アクションのコンセプトはほとんど完成されている

本作が何よりもウリにしているのは、巨大な鬼の手足などを切り飛ばす「部位破壊アクション」です。

部位破壊の構想自体はすでに確立されているものですが、本作のソレはゲームシステムに深く関わるものになっており、また、爽快感も強いものになっています。

部位破壊を狙うのは、破壊報酬と戦略的意味とがありますが、本作においては後者の比重が非常に重くなっており、部位破壊を狙わないと鬼を倒せないというほどになっております。

鬼は普通に殴り続けても倒せず、生命力を削ることでしか倒せません。 この生命力は以下のいずれかで削ることができます。

  • 部位破壊すると生命力がむき出しになるので、そこを殴る。
  • 部位破壊とは別に表層破壊というものがあり(シールドのようなもの)、表層破壊を起こすとマガツヒ状態となる。 この時はどこを殴っても生命力ダメージになるので、殴る。
  • 生命力が一定以下になるなど、追い詰められるとタマハミ状態になり、こちらもどこを殴っても生命力ダメージになるので、殴る。

表層破壊やタマハミ状態はすぐに引き起こせるものでもないので、やはり部位破壊を狙っていくしかないのです。 破壊することで敵の攻撃力を下げたりもできますので、他の狩りゲーよりも戦略的に重要と言えます。

ただ、こうして文字にしてみると複雑そうに見えませんか?

実際にやってみると体系的・感覚的にすんなり理解できるのですが、この一見して複雑そうな戦闘ルールが購入の足かせになっている可能性はゼロではないでしょう。

システム自体はいいものの、複雑そうに見えて買い手が遠のいてしまうのは少しマズいかな、と。

また、部位の耐久度と生命力のバランスがいま一歩という印象も拭えません。

ある鬼は全部位を破壊する前に倒してしまいがちなバランスであるのに対し、ある鬼は全部位破壊をしても半分以上も生命力が残っていて、後はひたすら殴り続けるだけという“ダレる”バランスになっていたりします。

前者はともかく、後者はプレイ意欲の減退も招きかねず、実際に平均していちクエストあたりのプレイ時間がやや長めなのも、バランスの悪さが影響しているものと思います。

私としては、例えば部位破壊後の部位(生命力が露出した状態)を再び破壊した場合に、若干の生命力ダメージボーナスが入るとかすればちょうどいいんじゃないのかな?と思います(もしかしたら入っているのかもしれないけど、体感できないレベル)。

狩りゲーというリプレイ性重視のゲームジャンルで、こうあまりにもダラダラと長引きがちな戦闘が続くと精神的疲労感はどんどん募ってしまいますから、もう少し短く・濃くする方向で次回作が変わっていればと思います。

不満は確かにあるものの、連続で部位を切り飛ばして連続ダウンさせたり、一方的に殴り続けた時の爽快感は他の狩りゲーにはないものです。 部位破壊アクションの名に恥じぬ内容です。

ミタマシステムがゲームプレイに幅をもたらしている

もうひとつ本作でピックアップすべきシステムがあります。 それが「ミタマ」システムです。

ミタマは武器に宿すことでスキル発動や、戦闘中でのタマフリ(能力強化、攻撃、防御、回復など)を行えるようになるというもの。 これの選択肢が非常に多く、狩りゲー随一のプレイスタイルの多様化に寄与しています。

武器は6種類ですが、ミタマは8種類用意されており、ミタマの種類によっては役割がガラッと変わってきます。

例えば攻のミタマはオーソドックスなアタッカータイプで、自身の攻撃力やクリティカル率を上げるタマフリ・スキルを使用可能。

防のミタマは挑発で鬼の注意を引きつつHP/防御力アップで耐え忍ぶタンクプレイが可能。

癒のミタマだとエリア内の仲間の体力を持続回復させるタマフリ、回復能力を上げるスキルを発動できたりと、ロールプレイがしやすい区別がされています。

更に、武器ごとでのミタマ相性や運用にも変化があるわけですし、同じタイプのミタマでも個体が違えばスキルも違う(タマフリは共通)ので、自分のプレイスタイルをとことん追求できるものになっています。

このミタマは最大3つまで装備できるので、その組み合わせ(特定の組み合わせでスキル発動あり)などを考えていくと非常に奥深いシステムなんですよね。

そうそう、ミタマには成長要素があり、レベル10まで上げることができます。 1レベル上がるごとにスキルを覚えますが、スキルスロットは3つしかないので取捨選択が必要になってきます。

そうして何を残し、何を消し去るのか……時にはミタマレベルを初期化しつつ、自分なりのベストを追求する楽しみもあります。 こだわり派にとってはかなり遊べるのがこのミタマシステムです。

物語や、それを彩るキャラも魅力的!

ストーリーや人物設定にも魅力をもたせたものにはGEがありますが、本作も負けじとそのどちらにも力を入れています。

むしろメインキャラが少なめな分、より細かく描かれている印象すらあります。

ストーリーは王道的ながらなかなかアツい(時には恥ずかしいくらい)展開もあったりして、独特な世界観を生かした味のあるものになっています。

また、各人には個別エピソードが添えられており、彼らの苦悩を主人公が解決しつつ鬼の勢力を削いでいく……ような流れになっています。 よって、メインキャラに関してはどのキャラにも見せ場があり、平等の扱いと言えます。

その他にも依頼や手紙などでもメインキャラ、もしくは脇役・モブキャラのミニエピソードが展開されることもあるのですが、こちらも小粒ながら印象的なものもあり、読み飛ばされがちなこういうテキストも魅力あるものになっています。

欲を言えばもう少し手紙や禊場でのイベントなどが欲しかったところですが、それくらい、人物・物語・世界観に魅力のある作品ということです。

総括

私の中ではすでに狩りゲーの第三勢力であると認識しており、是非とも次回作を出してほしいタイトルとなっています。

期待よりは“和”の印象が薄い気もしないでもないですが、和風ハンティングアクションゲームという未開の切り口を堂々と切り開いており、一作目ながら風格すら感じる作品になっています。

本作はマルチプレイはもちろん、シングルプレイでもお腹いっぱい遊べるようになっています。 GEのようにNPCを同伴できますし、彼らはストーリーの中盤頃までは非常に優秀だからです。

そしてストーリークリア前後から、彼らの力不足を感じ始め、“それとなく”人間とのマルチプレイを促しているように感じる絶妙な難易度設定は故意なのか偶然なのか。

PS Vitaでなにか狩りゲーがやりたい、みんなと一緒にワイワイ遊びたいという方には自信を持っておすすめできる作品となっています。 是非、狩りゲー界隈の新星に触れてみてください。

そうそう、当ブログでは討鬼伝のプレイログを鬼は~討ち、福は~外!というシリーズで残しているので、どんな感じなのかもう少し知りたい方は是非お読みください!

書いた人はこんな人

壬生狼
壬生狼(みぶろ)と申します。 miburo666/ルプス(Lupus)は概ね同一人物。 ゲーム、音楽、映画/アニメ、イラストなどが趣味。 ここでは音楽や映画/アニメを中心に、趣味関連の記事を書いていきます。
記載されている会社名・製品名・システム名などは、各社の商標、または登録商標です。
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『「討鬼伝」 レビュー』へのコメント

  1. 名前:まるお 投稿日:2013/07/08(月) 20:27:22 ID:3212afe07

    うむ、高評もさることながら我らの不満を一挙に羅列していただけたようですな(笑)

    やっぱマルチの敵の体力はおかしいわw
    人間4人だったら少しはマシになるのかもしれんけど、それにしてもダレるよなぁ。
    生命ダメージボーナスもそうだし、鬼祓いに成功したら少しダメージとかもありかなと思った。
    失敗したら敵の体力回復とか。
    まぁそうなったら鬼祓いに意識し過ぎて戦線が崩れるかもしれぬがw
    いずれにしてもこのバランスは見直してみてほしいですな!

    しかし・・・このゲームは当たりですよ。
    最近は一つのソフトを集中して遊ぶということができていなかったけど、このソフトで久々に実行できてますわ(´・ω・`)
    尤も、ワシは下位までの評価なので上位に言ったらどうなるかはわかりませんけどね!

    とりあえずハク足りなすぎワロタw
    ・・・(´・ω・`)

    • 名前:壬生狼 投稿日:2013/07/08(月) 21:29:25 ID:6920aebb4

      どもどもっす!
      次回作にも期待しつつ、どこかでクリエイターが目にしていないかなぁと思いの丈を書きなぐった次第でありますww

      >人間4人だったら少しはマシになるのかもしれん

      もしかして: マルチの体力は2~4人で共通
      だとしたら2人だと多すぎるわなぁ(‘A`)
      クエヤマとかずっとあの美尻を拝まねばならんしwww

      まるおの意見いいね。
      失敗時敵の体力回復ということで、リスクやスリルが生まれるし、ダレがちな戦いに緊張感が生まれそう。
      もちろんダイマエンとかは緊張しっぱなしではあるけど、落差が激しすぎるというかwwww

      確かに本作は積みゲーにはならなかったね!
      軽くソルサクのプレイ時間超えるし、長く遊べそうだね~
      上位はクエヤマがよりタフになって帰ってくるよ!(歓喜)

      ハク不足はもう、不要になった防具でも売るしか(´・ω・`)